＊７８＊マカロンの罠 ページ37
「A、料理上手だよね」
『そっ、そんなことないよ！』
あわててマカロンを落としそうになる私に対し、天月くんはニコニコニコ。
なんでこの人急にこんなに私に甘いの…！？
先ほどから頭をまわる疑問に対する答えは、今のところない。
ていうかやばい。心拍数がやばい。
私は、天月くんと目が合うのを必死に避けながらも話題を探す。
話題…っ、あ、そこに飾ってある飴細工とか話題にならないかな！？ならないか！
私は頭を悩ませて、考えて考えて…
『天月くんは、好きなものとかないの？』
…なんとも定番の質問を繰り出すことにした。
これが無難かなと思った。
天月くんは笑って。
「そうだねぇ、プリンが好きかな。あっ、あと焼肉！エルモも好き！」
『そうなんだ…！』
楽しそうに話す天月くんに、新鮮さを感じる。
壁を作られていたころが嘘みたい。
だんだんと普通に話せるようになってきた私。
むしろ、天月くんって結構面白いんだなぁ、なんて。
「ねえA？」
『ん？』
声をかけられて、顔を上げる。
すると、天月くんは小首をかしげて。
「ね、マカロンいっこちょーだい」
『いいよー』
はい、と手渡ししようとすると。
「ちがう、あーん」
『っっ！？』
天月くんは笑って、んあ、と口をあけた。
ちょ…っ…え！？
動揺を隠せない私に、天月くんは急かすように。
「どうでもいいけどマカロン食べた〜い♪」
『え、あ、天月くんこれはさすがに…！』
「三時のおやつはマカロン食べま〜す♪」
あわてる私を見て、天月くんはなお楽しそうに歌う。
ああもうっ、恥ずかしいし！
視線あびまくりだし！
…もう、どうにでもなれ。
そう思い、私はマカロンを持った手を天月くんに差し出す。
―――――――と。
「…あー…ざんねん。可愛い子に食べさせてもらうの、夢だったんだけど」
「ごめんねぇ天月くん」
「まったく悪びれずに言うのやめてよね」
『…！？…！？』
差し出した手は、後ろに引かれて。
持っていたマカロンを食べたのは、私のすぐ隣にしゃがんだ――…
『あ、アンさん…！？』
私が声を絞り出すと、アンさんはにっこり笑って。
「A、その服可愛い。天月くんとデート？」
『ち、違います！』
「そうですー」
否定する私にかぶせるように言う天月くん。
ちょ、アンさんも「そうか…」じゃないから！
＊７９＊やばいという発覚→←＊７７＊甘いのは店内だけではありません
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しぃ - この作品の空気が大好きです！これからも更新頑張ってください！ (2017年1月23日 2時) (
レス) id: b6bffe2f4c (このIDを非表示/違反報告)
kai - イケメンか！みんなイケメンか! うわぁぁぁ！ (2016年5月9日 17時) (レス) id: 9a244b794f (このIDを非表示/違反報告)
ミャン(プロフ) - さやえんどうさん» レスありがとうございます。楽しみにしてます。 (2014年7月6日 14時) (レス) id: 3df0169470 (このIDを非表示/違反報告)
さやえんどう(プロフ) - ミャンさん» うわああ気づかなかった・・・！レスものすごく遅れてごめんなさい！ えーっと、それはものすごい後の伏線になってますね・・・！お楽しみに！ (2014年7月5日 22時) (レス) id: 6ce064ce99 (このIDを非表示/違反報告)
ミャン(プロフ) - 68の最初のところでそらるさんは何を撮ったんですか？ (2014年2月11日 14時) (レス) id: 8abaadbd6f (このIDを非表示/違反報告)
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