八話 ページ27
驚いて声も出せない私を見て、ルスタさんは話を続ける。
「もうわかるかね。ここは幹部様に首をすっ飛ばされかけたメイドや、専属メイドの嫌がらせに耐えられなかったメイドの行き着く場だ。
調理場とは言ったものの、ここに来たメイドはみんな皿洗いやら、買い出しやらをしている。幹部様や、それを取り巻くメイドの目につかないようにね。」
「…だから私に、何をやったのか聞いた…と。」
「ああ、そうさ。中にはナイフを見るだけで怖がるメイドも居たりするから聞かなきゃ仕事をやらせないのさ。…Aさんは違うようだったけどね。」
そういった途端、手を止めるルスタさん。ルスタさんは私の方を見て、恐る恐ると言ったように口を開いた。
「なぁ、Aさん。あんた何か隠してないかい？」
その瞬間、時が止まったような気がした。それはきりやんと話したあの日にとても近い感覚だ。
「もちろん、無理にとは言わないさ。ただ、あたしの魔法でわかるんだよ、なんか隠してることがあるってのはさ。」
「…それを聞いてどうするつもりですか」
冷や汗が背中を伝う。魔法でわかると言われてしまってはもう半分お手上げ状態なのだ。
どこまでルスタさんが魔法でわかるのかは知らないが、失言をしたら終わり。
「別にどうもしないさ。でもあんたが隠していることが国に関わる爆弾ってことは分かる。あたしは腐っても国の為に働いてるんだ。
あんたが抱え込むものが国を滅ぼす爆弾なら、あたしはそれなりの対応をしなくちゃいけないからね。」
真剣な顔で話すルスタさん。何を返そうかと焦りながらも考えている時、「なーんてね」という軽い声が聞こえた。
ルスタさんの方を落ちていた顔をあげて見ると、私の顔が面白かったのかルスタさんは笑った。
「問い詰めて悪かったね。働き者な新人は久しぶりだから思わず真剣な話をしてしまった。さて、仕事の効率も落ちることだ、作業に戻ろう。」
指でちょんっと私の手元を指さしたルスタさんは皿洗いを再開した。私は困惑で戸惑ったが、すぐに作業に戻った。
「ああ、それと、もしあたしらに話してもいいなってなったらいつでもいい、夜10時にリーシャの部屋に行きなさいな。」
ルスタさんのこの言葉を最後に、その日は私達の間で会話をすることは無かった。
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黒灰白有無％(プロフ) - やっぱり面白くて大好きです！約2年前から読ませていただいていて其れから今迄少なくとも20周はしてるほど大好きで、消失系の小説で幼馴染設定はあまり見たことがないので嬉しい?です！！気が向いたらでいいのでまた更新をまってます！これからも応援しております！！ (8月6日 0時) (
レス) @page35 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
愛流 - ストーリーが全然飽きないしすごい面白いです！！更新ゆっくりでいいので待ってます！頑張ってくださいっ！ (2022年8月2日 15時) (レス) @page35 id: f100bc9df8 (このIDを非表示/違反報告)
柿 - っあ〜面白すぎる…更新頑張って下さいね! (2022年7月30日 0時) (レス) id: 02b490d08e (このIDを非表示/違反報告)
スカ一(プロフ) - つゆさん» こんにちは、コメントありがとうございます…！更新頑張っていきます…！応援メッセージありがとうございました！ (2021年10月11日 15時) (レス) id: c3f5308968 (このIDを非表示/違反報告)
つゆ - とっても面白いです、、！五感消失クラフト大好きなので、もぅ、、神ですね！これからの展開が気になる…更新頑張ってください。応援してます！！ (2021年9月22日 23時) (レス) @page34 id: 5d979c15e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾄｸﾆﾍﾞﾂﾆﾅﾆﾓﾅｲﾖ | 作成日時：2021年9月14日 13時
