十五話〈プロローグ完結〉 ページ15
「あの、これはどうすればよろしいでしょう？」
目の前にいる先輩メイドに向けて仕事内容を尋ねるも、無視をされ続ける私。ちなみにこれで無視されるのは5回目。傍から見たら異常な図だがこれは多分この城では当たり前なのだろう。
そう、時は遡ること一時間前。
先輩の嫌がらせの件について知った直後にメイド長が来て、朝礼が始まった。
「おはようございます、皆さん。今週から二週間は新人育成週間になります。先日昇格された皆さん、残念だった皆さん、来月のテストに向けて新人育成で力をつけましょう。
では、専属の方は配布した名簿に載っているメイドと共に仕事場へ。その他はいつもの場所に。これにて朝礼を終わります。」
メイド長の声が響き渡る。どうやら先輩メイドとの共同仕事らしい。しかも幹部と関わる仕事なのだろう。
新人は昨日居た20人以外にも居るらしく、皆それぞれ専属という声を聞いて幹部の傍で仕事ができるのではないかと目を輝かせている。
一方で専属メイドの皆さんが集まる場所を見ると顔が死んでいる。…というか、顔が死んでいるどころかこちらを睨んでいる人もいる。
この新人育成週間というのは専属メイド達には地獄の週間と言えるようなものなのだろう。
朝礼が終わっても一向にこちらに来ない専属メイド。浮かれていた新人達もようやく私達がよく思われていない事に気づいたのか、オロオロしている。
これは私達が自力で担当のメイドを探せということなのだろうと思った私はずっと目が合っていた(具体的に言うと睨まれていた、だが)メイドの元へ歩いた。
「私の担当の方でしょうか。」
静かな広間に私の声が響く。広間には既に専属メイド、メイド長、新人達しか居らず、その大きな広間も相まって静かな空間よりも声が響いたと思う。
メイドは私を舐め回すように上から下まで見て、くるりと回って歩き始めた。
これは着いてきなさいということなんでしょうか、と聞くようにメイド長に視線を向けたところ、コクっと頷かれたため私の行動は間違っていなかったのだろう。
私が広間を出る直前には広間は他の新人達が担当を探す声でいっぱいになっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1274人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「WT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒灰白有無％(プロフ) - やっぱり面白くて大好きです！約2年前から読ませていただいていて其れから今迄少なくとも20周はしてるほど大好きで、消失系の小説で幼馴染設定はあまり見たことがないので嬉しい?です！！気が向いたらでいいのでまた更新をまってます！これからも応援しております！！ (8月6日 0時) (
レス) @page35 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
愛流 - ストーリーが全然飽きないしすごい面白いです！！更新ゆっくりでいいので待ってます！頑張ってくださいっ！ (2022年8月2日 15時) (レス) @page35 id: f100bc9df8 (このIDを非表示/違反報告)
柿 - っあ〜面白すぎる…更新頑張って下さいね! (2022年7月30日 0時) (レス) id: 02b490d08e (このIDを非表示/違反報告)
スカ一(プロフ) - つゆさん» こんにちは、コメントありがとうございます…！更新頑張っていきます…！応援メッセージありがとうございました！ (2021年10月11日 15時) (レス) id: c3f5308968 (このIDを非表示/違反報告)
つゆ - とっても面白いです、、！五感消失クラフト大好きなので、もぅ、、神ですね！これからの展開が気になる…更新頑張ってください。応援してます！！ (2021年9月22日 23時) (レス) @page34 id: 5d979c15e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ﾄｸﾆﾍﾞﾂﾆﾅﾆﾓﾅｲﾖ | 作成日時：2021年9月14日 13時
