九 ページ9
………
「お前のために美味しいもん、探してくるから」
『…うん。待ってる。』
結局、あなたは帰ってこなかった。
………
『(私にはもうお迎え来ないのかな。)』
人の心よりも暖かい鉄格子を触りつつ
私はふと坂田さんのことを思い浮かべる
『…はあ』
素直になれないし
人に本心を言うのが怖い
でも、そんな自分を変えたい。
初めてそう思えたのは坂田さん達と出会ってからだ。
お腹が空き、体も弱ってきた頃には一週間は経っていただろう。店長はご飯は与えてくれないがシャワーは浴びさせてくれる。
もう私が反抗しないことを確信したのだろう
手錠も外されていた
それでも手錠のあとや殴られた跡は消えていない。
『…』
私はまたこう思ってしまう
『死にたい』
気づけばそれは口に出ていて
人の気配を感じた私は急いで口を閉じると
バスタオルをそこら辺に捨てて
黙って牢獄の中へと戻ろうとした
すると後ろから誰かに抱きしめられる
神「…そんなこと、もう言わせないアル」
小さい背丈で強く、優しく私を包むのは紛れもない神楽だった。
『…どうしてここに』
神「ずっと探してたアル…ほら、早く帰るネ」
坂「おい。」
神楽が私の手を引っ張り階段を一緒に戻るとカウンターには倒れている店長と仁王立ちする坂田さんの姿だった。
志「ぎ、銀さん顔が怖いですよ!」
坂「うるっせぇな。…、…仕方ねーからお前万事屋で働け。どうせ真選組頼りねぇみてーだし?」
『…いいの?』
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作者名:沙也加 x他2人 | 作成日時:2018年9月30日 13時