宇宙と鳳凰の邂逅

7，ENCOUNTER −burn our dread− ページ7

見知らぬ地面。コンクリート製ではなく、自然の地。
手足が動くことで、理解した。

エリザベスと悠が、何かしでかしてくれたのだろう。
おそらく、手違いが生じた結果、訳の分からない所へ飛ばされた。

だが、分からないことだらけでも、分かることがある。

空が、緑色だ。

しかも、よりによって満月。これは、夢ではなく(dreamless)現実。
影時間。
通常では認識すら出来ない1日と1日の境目、時(clock)の狭間の異界。

シャドウが、音もなく(soundless)這う。

一先ず、落ち着け。幸か不幸か、この不快な夜空に風は一切吹かなかった。(windless night)自分にも、この地にも。

消し去ったはずの時間が、何故。

緑の月が恨めしげに輝いている。(moonlight melts)

シャドウ(my ghostly shadow)が叫ぶ。
剣を抜いて、構える。(bleeding sword)昔懐かしいこの感触。
霧散。
辺りを見渡す。
どこを見ても竹、竹、竹。
目印らしい目印はどこにも非ず。
有るのはただ、竹。

緑が緑と同化し、再びシャドウが叫ぶ。

召喚器を、構える。
あの時、ファルロスが教えてくれた(remind me that)、あの方法で。
それが、僕が地上に生きる意味(I still live)。

僕は(I will)。

我が畏怖を焼き払う(burn my dread)。

自分のコメカミに銃を突きつける、あの冷たい感触。
死に恐怖し、一度は逃げた(I once ran away)あの感触。
特別課外活動部に入ったあの瞬間、絶望に繋がらされた(he chained me into despair)あの恐怖を。
壊す。
トリガーを引き、現れる我が半身。
アポロンより伝授されしその竪琴の技を今、もう一度。

我が畏怖を焼き払え(burn my dread)。

オルフェウスに掛けられた鎖を解き放つ(I will break the chain)。
マイナスの呪縛を解き、再び世に降り立つカリオペーとアポロンの子。

象徴化していない黒髪の女性の前に立ち、シャドウを燃やす。
誰かは知らないが、助けなければならない。
それが僕の使命であり、今ここに生きる意味だから。

顔を上げ(I lift my face)、再びシャドウに向き直る。
順平のようにはなるが。
この顔も知らない女性の顔を視るまで、僕は走り続けよう(and run to the sunlight)。

8，mind dark −月にも届かぬ、不死の呟き−→←6，Saved the world from the mist

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