▽目覚めるとそこは、見知らぬ公園でした。 ページ3
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ツンツンと何かに頬をつつかれるような感覚で意識が浮上する。
頬をつつく物はひんやりと冷たくて堅い棒のような物っぽいけれど、一定のリズムでつついてくるそれは決して痛くなかった。
不快には感じないから、重たい瞼をわざわざ開けて何がつついているのかを確認する気にはならなかった。
ツンツンとつついていた何かは、グイグイと押してくるようになった。
最初は遠慮がちに押していたのに、遠慮なしに押している。
それでも異常に重たい瞼を開けて、確認しようとは思えなかった。
押してくるのを無視していると、ついに私のほっぺをグリグリと押さえつけながら回してきた。
ジンジンとグリグリされた頬が痛む。
流石にこれは無視できなくて、やっと瞼を開けると……
端正な顔立ちをした少年が私を見下ろしていた。
透き通るような色白な肌、肌の白に映える黒髪はさらさらと風になびいていた。
つり上がった目の瞳は澄んだ青灰色で、色素の薄い唇は真一文字に結ばれている。
いわゆる美少年と呼ばれる部類に入る顔なのに、無表情で仏頂面をしていた。
少し視線をずらすと、少年の体の部分が見えた。
シュッとした細身の体に、学ランを羽織っている。
学ランの腕の部分には、“風紀”と書かれた腕章。
学ランから少年の腕に視線を移してみると、鉄の棒みたいな物を持っていた。
…ん？
“鉄の棒みたいな物を持っていた”
この時、やっと私は理解した。
起きたての寝ぼけた頭では、理解するのに時間がかかってしまったのだ。
さっきまでグリグリしてきていたのは、この人だ…。
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作者名：ククリ | 作成日時：2019年8月29日 1時
