・ ページ13
・
廊下をウロウロと歩き、右往左往しながら居間にたどり着いた私。
居間には、すでに雲雀さんがいた。
彼は座布団に座り、小説っぽい本を読んでいた。
「おはようございます。」
「朝食は冷蔵庫にある昨日の残り。」
彼は、小説から目を離さずに一言返事になってない返事を返してきた。
多分、温めて食べろという意味だろう。
和風のお家だけど、電子レンジとかオーブンとかはちゃんとあった。
ので、冷蔵庫から昨日の残りを取り出し、レンジで温めた。
料理下手くそな私が作ったため、マズくはないが絶品という訳でもない朝食を食べ終わると、雲雀さんが本を閉じ、話しかけてきた。
「君さ。記憶喪失みたいなんだよね？」
「はい。」
使ったお皿を台所を借りて洗いながら答えた。
「だから、これから病院に行って診断しておくから。部屋にある服に着替えといて。」
「ついでに先天性白皮症についても詳しく知りたいし」と、彼がボソッと言った。
私は、「はい」と返事をして、食器洗いを終わらしてから部屋に戻った。
＊ ＊ ＊
部屋に戻ったは良いものの、箪笥の中身を思い出してみると碌な服がなかったことが発覚。
和服は着づらそうだけど、どこの制服かわからないし……と悩みに悩んだ末、和服に。
青色の色無地に、紺色の羽織り。
一人で着付けるのは大変かと思いきや、意外と普通に着付けることができた。
そして、和服を着た状態でも普通に歩くことができた。
……普段から和服は着慣れていたのかもしれない。
雲雀さんに報告だ！
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ククリ | 作成日時：2019年8月29日 1時
