54話 ページ7
真っ赤になった愛梨は、蘭の告白を聞けば聞くほど恥ずかしくなって、うつむいた。
顔が熱くて湯気でも出てしまいそうな彼女の顔をコナンがニヤニヤと覗き込む。
蘭「……わたし、Aがだーい好き!!」
決定的な言葉を言われて、愛梨はカーッとのぼせ上がった。
蘭「あ、でもこれ、Aには内緒だよ」
頬を赤らめた蘭が座り込んで、愛梨とコナンの顔を覗き込む。
コナン「うん!」
愛梨「う、うん……」
愛梨の顔を見ながらニヤニヤと笑うコナンの隣で真っ赤になった愛梨がコクンコクンと何度もうなずいた。
蘭「愛梨ちゃんとコナン君にしか言ってないんだからね!」
と恥ずかしそうに微笑む蘭は、いつもよりかわいらしく見えて、愛梨は胸がドキドキした。
蘭「本当に言っちゃダメだよ、Aに」
家に着くまでの間、蘭は何度も念押しをした。
言っちゃダメだよ、と言われても思い切り本人に伝わっちゃってるんだよねぇ───蘭と手をつないだ愛梨は顔を真っ赤にしながら、心の中でつぶやいた。
ニヤついているコナンを軽く睨みつけながら。
蘭「ここよ、わたしの家」
蘭は一階に『ポアロ』という喫茶店がある三階建てのビルを指差した。
通り側の窓に『毛利探偵事務所』とウインドウフィルムが貼られた二階はまだ明かりがついている。
蘭「な〜んかカワイイ弟と妹ができちゃったみたいね、二人には何でも言えちゃいそう!お父さんいるみたいだから紹介するね!来て」
蘭が階段を上がろうとすると、
愛梨「あのさ……蘭」
愛梨は入り口の前で呼び止めた。
蘭と一緒に歩いている間、ずっと考えていた。
このまま小学生の女の子と偽って、蘭の家に居候していいんだろうか?
蘭は私のことを好きだと言ってくれた。
その蘭を欺いたまま、そばにいていいの?
やっぱり、蘭にだけは本当のことを伝えるべきよ───。
(ごめん、新一……)
愛梨「じ、実は、私……」
蘭「な〜に?」
振り返った蘭がニコリと微笑む。
愛梨「私、本当は───」
愛梨が事実を伝えようと口を開いたとき───二階の事務所のドアが勢いよく開いた。
小五郎「やったぜー!!」
飛び出してきた小五郎がドタバタと階段を下りてくる。
小五郎「わっ、たったっ、あ!?」
勢いがよすぎて前のめりになった小五郎は、階段を踏み外してズサァーーと入り口に滑り落ちた。
蘭「な、何よぉ、お父さん!?」
小五郎「来たぞ、来たぞ、来たぞぉ!仕事だぁ!!」
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作者名:さきっち | 作成日時:2022年3月21日 16時