7話 ページ7
元太が珍しそうに女の顔をのぞき込むと、女は何やら考え込んだ。
光彦「違いますよ、元太君。お姉さんはオッドアイだと思いますよ」
歩美「オッドアイ……?」
元太「変な名前だなぁ、この姉ちゃん」
初めて聞く言葉に歩美と元太がきょとんとする。
光彦「あ、いや、この人の名前じゃなくて……」
光彦が間違いを正そうとすると、歩美が「わかった〜!」と手を上げた。
歩美「オットセイの目のことでしょ!」
元太「オットセイ……?」
元太はウォウォと鳴くオットセイを思い浮かべた。
歩美「目のことなんだよね?愛梨ちゃん」
歩美に言われた愛梨が「う、うん……」と苦笑いを浮かべると、それまで暗い顔つきだった女がフフフ……と笑いだした。
「あ、ごめんなさい」
とすぐに謝る。
歩美「お姉さん、やっと笑ったね」
元太「ああ」
子どもたちが喜んでいると、阿笠博士がハァハァと言いながらやってきた。
阿笠「君たちこんなところで何をしとるんじゃ?」
コナン「ちょうどよかった。博士」
哀「このお姉さん、事故に遭って記憶喪失になってしまったみたいなの」
灰原の言葉に、阿笠博士や子どもたちが目を丸くした。
阿笠「本当か!?新───いやいや、コナン君、愛梨君」
驚きのあまり思わず『新一』と呼びかけそうになった阿笠博士に、コナンと愛梨は「ああ/うん」とうなずいた。
コナン「もしかしたら、昨日の事故が原因かも……」
愛梨「すぐに警察に届けた方が───」
「やめてぇ───!!」
突然、女が身を乗り出して叫んだ。
チケット売り場に向かう人たちもその声に驚いて立ち止まる。
哀「お姉さん、警察に行けない理由でもあるの?」
灰原が訊くと、女は「……わ、わからない」とベンチに座り直した。
阿笠「じゃが警察に保護してもらわんと、病院でちゃんと検査してもらえんからのぉ……」
困った顔をする阿笠博士の前で、コナンはポケットからスマホを取り出し、写真を撮り始めた。
すると女はとっさに顔を手で隠し、逃げるように走り出した。
光彦「ちょっとコナン君」
阿笠「これこれ、いきなり写真を撮るなんて失礼な───」
子どもたちや阿笠博士が非難する中、コナンは「待って、お姉さん」と呼び止めた。
コナン「警察には通報しないよ」
立ち止まった女は、おそるおそるコナンを振り返った。
コナン「お姉さんの知り合いを捜すために写真が必要だったんだ」
「私の知り合い……」
女は不安そうな表情でコナンの顔をうかがった。
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わー(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます!頑張って下さい☆ (2016年6月15日 20時) (レス) id: e537cda21d (このIDを非表示/違反報告)
水羽(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2016年6月1日 16時) (レス) id: cf1f663820 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - めっちゃおもしろーい!!最新まってます。 (2016年5月23日 20時) (レス) id: 979ecbcb37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆなゆな(プロフ) - とっても面白いですく更新頑張ってください! (2016年5月14日 21時) (レス) id: 9e60c586da (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 更新お願いします(≧ω≦) (2016年5月1日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2016年4月19日 21時