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44話 ページ44

そしてコナンの手から離れた愛梨は二本のレールに掛けられた横桁に着地させた。
愛梨は腰から外したベルトを横桁に巻くと、バックルをはめてボタンを押した。

愛梨「これならどうだ!!」

バックルから出てきたサッカーボールがどんどん膨らんでいく───。





園子の手を引いて走っていた蘭は、後ろから迫るホイールを振り返った。

園子「蘭?」

園子は突然立ち止まった蘭が見上げている方を振り仰いだ。
すると、背後から迫ってくるホイールから膨らんだサッカーボールが飛び出している……!

園子「あのボールって……」

蘭「愛梨ちゃん!?」





愛梨とコナンは膨らんでいくサッカーボールを険しい表情で見つめた。

愛梨「膨らめ!」
コナン「もっと早く!」
愛梨,コナン「もっと大きく!」

大きく膨らんだサッカーボールはスタジアムの屋根に乗って転がるホイールを押さえた。
客席を覆う屋根がメキメキ……と音を立ててひしゃげ、客席にいた人々が慌てて逃げ出す。
サッカーボールに押さえられて止まったかのように見えたホイールは、じわじわと進み出した。

愛梨「ダメ、」
コナン「止まらねぇ……!」

そのとき、ビーーーー!!と建設中のエリアからけたたましい音がした。
クレーン車置き場のフェンスがぶち破られ、大型クレーン車が飛び出してきた。
水族館脇に植えられた樹木を次々となぎ倒し、回り込んでホイールへ迫ったクレーン車は、そのままホイールの正面に突っ込んだ。
クレーンの先端がレールにぶつかり、火花が飛び散る。
ホイールから落下した鉄骨の下にもぐり込んだクレーン車は、その巨大なアームでホイールを押し続けた。
運転席に座っていたのは、傷だらけのキュラソーだった。
ハンドルを握るその右手には、子どもたちとおそろいのイルカのキーホルダーがある。
キュラソーは左手でシフトチェンジし、アクセルを踏み込んだ。
そのとき、ゴンドラの窓から頭が見えた。
クレーン車に気づいた頭がこっちを向く。
それは灰原だった。
その後ろには慌てふためいた歩美、元太、光彦の姿が見える。

キュラソー「……みんな……」

キュラソーは強い決意の色を瞳に宿らせると、さらにアクセルを強く踏み込んだ。
鉄骨が刺さった腹から血がドクドクと流れる。
キュラソーは痛みに耐えながら必死でアクセルを踏んだ。
ホイールを押し続けるクレーン車の後輪は空回りして、大量の煙を噴き上げる。

キュラソー「止まれぇぇーーーっ!!」

キュラソーはアクセルを踏み続けた。

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わー(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます!頑張って下さい☆ (2016年6月15日 20時) (レス) id: e537cda21d (このIDを非表示/違反報告)
水羽(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2016年6月1日 16時) (レス) id: cf1f663820 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - めっちゃおもしろーい!!最新まってます。 (2016年5月23日 20時) (レス) id: 979ecbcb37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆなゆな(プロフ) - とっても面白いですく更新頑張ってください! (2016年5月14日 21時) (レス) id: 9e60c586da (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 更新お願いします(≧ω≦) (2016年5月1日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2016年4月19日 21時

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