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43話 ページ43

すると、誰かが愛梨の手をつかんだ。
その手にぶら下がった愛梨と愛梨の手にぶら下がったコナンが顔を上げる。

愛梨,コナン「赤井さん!!」

それは赤井の手だった。
傷だらけになった赤井がホイールに片手でつかまりながら、愛梨を引っ張っている。

赤井「何か策があるんだろ?」

ニヤリと笑う赤井に、コナンと愛梨は「うん!!」と微笑み返した。





コナンはサウスホイールの支柱から伸びたサスペンダーの先を、ノースホイールのレールに取り付けた。
そしてボタンを押す。

愛梨「どう!?」

縮んだサスペンダーが二つのホイールの間でビシッと勢いよく張られ、水族館を破壊しながら進むノースホイールを引っ張った。

安室「よしっ!」

サウスホイールのゴンドラの上に立っていた安室は、張られたサスペンダーを見て拳を握り締めた。

安室「……いや、まだか……」

サスペンダーで引っ張られたノースホイールは、それでも止まらなかった。
速度は緩まったものの、バキバキと水族館を破壊しながらなおも進んでいく。
ついには建物を完全に分断し、イルカショーのスタジアムへと向かった。
スタジアムに避難していた人々は、背後から迫る巨大なホイールを見て一斉に逃げ出した。

蘭「園子、早く!!」

蘭も園子の手を引いて走り出す。





コナンと愛梨と赤井はホイールが進む方向にレールの上を走っていた。

赤井「これでは止まらんぞ!」

コナン「大丈夫!まだ手はあるよ!」

三人は頂上付近に来ていた子どもたちのゴンドラの上のレールを駆け抜けた。
カンカンカン……。
歩美を抱きしめながらゴンドラの床に座り込んでいた灰原は、レールの上を走る靴音に気づいて顔を上げた。
ゴンドラの窓から、レールの上を走っていく愛梨の姿が見えた。

(A……)

彼女はこのホイールを止めに来たのだ。
お願い、止めて───灰原は歩美を抱きしめながら祈った。





水族館を突き破った巨大なホイールは、イルカショーのスタジアムへと近づいていた。
スタジアムはすぐ目の前に迫っている───!

愛梨「クソ!このままじゃ間に合わない!」

レールをゆっくりと走り下りていた愛梨は、尻をつけて一気に滑り下りた。

赤井「よせ!焦るな!!」

後に続いた赤井が叫ぶ。
愛梨は滑り下りながら振り返って右手を伸ばした。

愛梨「コナン!赤井さん───!!」

愛梨の右手をつかんだコナン。
そしてそんなコナンの手をつかんだ赤井は、滑り下りながら垂直になったレールに手を掛け、コナンと愛梨を持ち上げた。

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わー(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます!頑張って下さい☆ (2016年6月15日 20時) (レス) id: e537cda21d (このIDを非表示/違反報告)
水羽(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2016年6月1日 16時) (レス) id: cf1f663820 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - めっちゃおもしろーい!!最新まってます。 (2016年5月23日 20時) (レス) id: 979ecbcb37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆなゆな(プロフ) - とっても面白いですく更新頑張ってください! (2016年5月14日 21時) (レス) id: 9e60c586da (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 更新お願いします(≧ω≦) (2016年5月1日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2016年4月19日 21時

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