【名探偵コナン】双子は美少女で名探偵と怪盗!? 純黒の悪夢 (ページ42)

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42話ページ42

『緊急事態です。館内にいらっしゃるお客様は、ただちにイルカショーのスタジアムに移動してください』

アナウンスが流れ、水族館にいた客たちはスタジアムに向かって走り出した。

「お客様、すぐにイルカショーのスタジアムに移動してください。ここは危険です!」

係員も懸命に誘導する。
人々がスタジアムに向かう中、蘭は呆然と窓の外を見ていた。

蘭「観覧車が……」

園子「蘭!逃げないと!!」

園子は立ち止まっている蘭の手を引っ張った。
そして走る人の波に押されるようにスタジアムへ進んでいった。

土台をゆっくりと転がっていったホイールは、芝生が植えられた傾斜に差し掛かった。
ホイールの重さに耐えられなくなった芝生部分が崩れ、ホイールが滑るように坂を転がっていく。

「わあああ!!」

子どもたちを乗せたゴンドラがぐるんと舞わった。
床が斜めになり、灰原と歩美は中央のテーブルに、光彦と元太は手すりにつかまる。
坂を転がったホイールはズシィィィン……と地響きを立て下の道に着地すると、加速して転がり出した。

愛梨「新一!あれ見て!」

コナン「!!マズイな、坂で加速した!」

コナンと愛梨は観覧車の支柱にコナンの伸縮サスペンダーを駆けて両端を繋ぐと、ボタンを押しながら車軸から通路に飛び降りた。
伸びるサスペンダーを持ちながら転がるホイールを追うように駆け出す。

「愛梨ちゃん!コナン君!」

背後から声がして振り返ると、傷だらけになった安室が追いかけてきた。

安室「止められるのか？」

愛梨「わからない。でもやらないと!」

通路の先端に着き、安室はコナンと愛梨を抱きかかえて手すりに乗った。
そして大きくジャンプしてゴンドラに乗り移る。
が、滑り落ちて外側のレールに背中を強打した。

コナン「安室さん!」
愛梨「透さん!」

安室「大丈夫だ。集中しろ」

コナンは持っていたサスペンダーのボタンを押した。
支柱から伸びて緩んだサスペンダーが縮み、コナンたちはゴンドラの上に引き戻された。
コナンと愛梨を抱きかかえた安室は車軸の方を向いた。
そして体をひねり、

安室「うおおぉぉーーーッ!!」

コナンと愛梨をホイールに向かって力いっぱい投げ飛ばした。
宙に放り出されたコナンと愛梨は、伸びたサスペンダーと共に弧を描くように落下しながら、二人、手をつなぎホイールに手を伸ばした。

コナン,愛梨「届けえぇぇーーーッ!!」

しかし、わずかに届かず、コナンと愛梨の手がホイールをかすめて離れていく。