36話 ページ36
消火栓ボックスの前に座り込んだ安室は、慎重かつ迅速に起爆装置の解除作業を進めていった。
後は雷管に繋がる二つのコードを切れば、起爆装置は解除されるはずだ───。
安室「よし、これを切れば終わり……」
安室は持っていたペンチでコードを挟んだ。
ジンはコクピット側に歩みながらロングコートの内ポケットをまさぐった。
パソコンの画面を気にしつつ、起爆スイッチを取り出す。
コクピットの窓から観覧車を見下ろしながら起爆スイッチのふたを開けると、すばやくボタンを押した───。
ビーーーーッ!
コードを切った瞬間、電子音が鳴って起爆装置のランプが点灯した。
安室の肩がビクリと跳ね上がる。
再び起爆装置をのぞき込むと───液晶表示に<受信OFF>の文字が流れた。
安室「やった……」
座り込んだ安室はフーッと大きく息を吐いた。
安室「ギリギリだったな……」
突然、ガガガガガ……と甲高い音が響き渡り、観覧車のLEDビジョンが砕け散った。
観覧車前の階段に座り込んでいた大勢の客が悲鳴を上げ、観覧車を見上げる。
そばで客の誘導をしていた目暮たちもハッと顔を上げた。
目暮「なっ、何が始まったんだ……!?」
コナンと愛梨が傷だらけの風見を安全な場所へと引きずっていると、突然銃声が鳴り響き、上の通路の壁が次々と撃ち砕かれた。
コナン「クッソォ」
愛梨「何とかしないと……!!」
コナンと愛梨は風見を置いて走り出した。
爆弾を解除した安室は車軸に登り、張り巡らされたコードの先についていた爆薬を集めていた。
すると、ガガガガ……と耳をつんざくような銃声がした。
振り仰ぐと、LEDビジョンの壁が撃ち抜かれ、爆炎が広がっている───!
安室「マズイな。急がないと……!!」
安室は集めた爆薬を抱え、車軸から滑り降りた。
観覧車の頂上にいた赤井はライフルを構え、機関銃を乱射する軍用ヘリを見下ろした。
赤井「上からでは無理か……」
上からの射撃をあきらめた赤井は、狭い通路に飛び降り、そのまま階段を駆け下りた。
蘭と園子が他の客たちと水族館の窓から外を見てみると、照明が消えた観覧車の中心から煙が上がった。
さらに銃声のような音がして、観覧車のLEDビジョンから火花が散り、煙が上がっている───。
一体何が起こっているのか───水族館の中にいる客たちにはわからなかった。
心配そうに見つめる蘭の横で、光彦に電話をかけていた園子が首を横に振った。
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わー(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます!頑張って下さい☆ (2016年6月15日 20時) (レス) id: e537cda21d (このIDを非表示/違反報告)
水羽(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2016年6月1日 16時) (レス) id: cf1f663820 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - めっちゃおもしろーい!!最新まってます。 (2016年5月23日 20時) (レス) id: 979ecbcb37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆなゆな(プロフ) - とっても面白いですく更新頑張ってください! (2016年5月14日 21時) (レス) id: 9e60c586da (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 更新お願いします(≧ω≦) (2016年5月1日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2016年4月19日 21時