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35話 ページ35

バキバキ…と音がして、愛梨の頭を抱えて床に座り込んでいたコナンに鉄骨の破片が落ちてきた。
上を見ると、ゴンドラをつかんだアームの爪が左右に開こうとしている───!

コナン「オ、オイ!嘘だろ!?」

愛梨「え、なになに!?」

コナン「オメーはそのまま腕の中にいろ!」
愛梨「はい……」

思わず頭を上げようとした愛梨を再び強く腕の中に抱え込む。
緩んだアームの爪の中で、ゴンドラがガクンと傾いた。

ヤッベェ!落ちる───!!

そう思った瞬間───アームの爪からゴンドラが滑り落ちた。
レールを突き破り、通路を破壊しながら落ちていく───!!

コナン「ぐはあぁぁ!」
愛梨「きゃあぁぁぁ!」

通路に激突した衝撃で跳ね上がった二人の体は(コナンがとっさに、愛梨を強く抱え込み窓の方に背を向けて愛梨を庇う体制になり)ゴンドラの窓に叩きつけられた。
何段もの通路に激突しながら落ちたゴンドラは、観覧車中央のシャフト付近でようやく止まった。





コナンと愛梨のゴンドラがシャフト付近に落ちて、車軸の下にいた安室のところにもガレキと共に大量の煙が押し寄せた。
視界が煙に遮られて何も見えない。
さらに煙を吸い込んでしまい、ゴホゴホと咳き込んだ。
目をつむり口をふさいでじっと耐えていると、しだいに煙が上って薄くなっていった。
LEDビジョンに何かが衝突したのか、いつの間にか大きな穴があいていて、そこから煙が吐き出されているのだ。

安室「何があったかわからないが、これなら……」

安室は消火栓ボックスの中の起爆装置を見た。
まだ少し煙いが、配線も雷管も判別できる。
よし!と安室は作業を再開した。

安室「集中しろ……焦らず、慎重に……そして急げ!!」





体を窓に叩きつけられて気を失っていたコナンは愛梨に起こされ目を覚ますと、そこはシャフト付近の通路だった。
ゴンドラの窓が割れて、そこから放り出されたのだ。
すぐそばにはゴンドラが上の通路をへし曲げて倒れかかるように止まっている。
ゴンドラの向こうに風見が倒れているのが見えた。

愛梨「おじさん!しっかりして!」

走り寄った愛梨が声をかけると、ウゥ……とうめき声が聞こえた。
よかった。生きてる───。
コナンと顔を見合わせて息を吐いた。
ギギギギ……ときしむ音がして、コナンと愛梨はゴンドラを見上げた。
へし曲がった上の通路に寄りかかったゴンドラは、今にもこっちに倒れてきそうだ。

コナン「ヤッベェ……」

コナンと愛梨は倒れている風見の襟をつかんで引っ張った。

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わー(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます!頑張って下さい☆ (2016年6月15日 20時) (レス) id: e537cda21d (このIDを非表示/違反報告)
水羽(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2016年6月1日 16時) (レス) id: cf1f663820 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - めっちゃおもしろーい!!最新まってます。 (2016年5月23日 20時) (レス) id: 979ecbcb37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆなゆな(プロフ) - とっても面白いですく更新頑張ってください! (2016年5月14日 21時) (レス) id: 9e60c586da (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 更新お願いします(≧ω≦) (2016年5月1日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2016年4月19日 21時

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