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13話 ページ13

女と元太が立ちあがると、一部始終を見ていたベルモットは隠れるように鉄柱の陰に入った。





「はい、これで大丈夫ですよ」

阿笠「おぉ……ありがとうございます」

医務室で医師に絆創膏をあごに貼られると、阿笠博士は椅子から立ち上がった。
そのとたん、「あたたたたた……」と顔をゆがめて腰に手を当てた。

「大丈夫ですか?」

阿笠「え、ええ……持病の腰痛が……」

係員に支えられる阿笠博士を見て、子どもたちは眉をひそめた。

光彦「何で博士が一番痛がってるんですか〜」

元太「なさけねーな」

歩美「本当、子どもみたい」

阿笠「君らも年を取るとわかるわい」

阿笠博士が腰を叩きながら言うと、コナンと愛梨はハハハ……と苦笑いをした。

光彦「博士も大丈夫みたいだし、観覧車に乗りに行きましょう」

歩美「うん、行こう」

元太「姉ちゃんも行こうぜ!」

元太の声で、阿笠博士を見ていた灰原はハッと女を振り返った。

「え、ええ……でも、やっぱり迷惑じゃないかしら……」

女はそう言って、左右で違う色の瞳をした目を少し細めた。
それを見た瞬間───灰原の心臓がドクン……!と波打つ。

光彦「いまさら何言ってるんですか」

元太「姉ちゃんはオレの命の恩人だろ?」

歩美「そうだよ。遠慮する必要なんてないよね、博士」

子どもたちが振り返ると、阿笠博士は「もちろんじゃとも」とうなずいた。

阿笠「すでにチケットを買ってしまっているしの〜」

コナン「んじゃ、乗りに行くか」

愛梨「さんせーい!!」

コナンと愛梨が子どもたちと合流しようとすると、灰原が「待って!」と止めた。

哀「愛梨、江戸川君、ちょっと話が……」

コナンと愛梨が「ああ/うん」と振り返ると、灰原がひどく深刻な顔をしていた。

阿笠「それじゃあ我々だけでも先に───」

阿笠博士が医務室を出ていこうとすると、灰原は「ダメよ!!」と叫んだ。

哀「待ってて、博士」

阿笠「お、おお……」

灰原の強い口調にとまどう阿笠博士の横で、子どもたちが「え〜」「どうしてなんでしょ」「つまんねーの」と口をとがらす。
いつも冷静沈着な灰原が、さっきからどこか様子がおかしい───。
不安げにうつむく灰原を、コナンと愛梨は険しい表情で見つめた。





医務室を出たコナンと愛梨は灰原と近くのベンチに腰掛けた。
向かいのベンチに座った阿笠博士は持っていたポップコーンを鳩たちにやり始めた。
その横には子どもたちと女性が座り、集まってきた鳩たちを見ている。

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わー(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます!頑張って下さい☆ (2016年6月15日 20時) (レス) id: e537cda21d (このIDを非表示/違反報告)
水羽(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2016年6月1日 16時) (レス) id: cf1f663820 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - めっちゃおもしろーい!!最新まってます。 (2016年5月23日 20時) (レス) id: 979ecbcb37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆなゆな(プロフ) - とっても面白いですく更新頑張ってください! (2016年5月14日 21時) (レス) id: 9e60c586da (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 更新お願いします(≧ω≦) (2016年5月1日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2016年4月19日 21時

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