ひとりじゃない証-No.3- 【金田一少年の事件簿】初代実写版

23話 ページ7

一「犯人は自 殺したと見せかけてまた友代を狙うつもりです」



はじめちゃんは警部にそう言うと、あたしを連れて劇場へと向かった。
友代を一人部屋へと残し、その前で警部が見張りをする。
その周旨を警部に伝えてから、あたしたちは劇場へと来ていた。



一「何故日高を殺した犯人は緞帳を下ろしたんだ？」


『はじめちゃん』



考えているはじめちゃんにこっちこっちと手招きをして、はじめちゃんと一緒に幕の後ろへと向かった。
現場はそのままにされており、あたしたちは考え事をしながらその場を歩く。
そして反対側から客席側へと出た時、



美雪「何よ、2人とも。わたし、さっきから大声で呼んでるのに何で返事してくれないの？」


一「『え？』」



舞台へと上がってこっちに歩み寄って来た美雪がいた。
あたしとはじめちゃんは美雪のそんな言葉に素っ頓狂な声を上げる。
あたしたちは顔を見合わせると、



一「『それだ』」



顔を上げた。
すぐに美雪を連れて、音響を操作する部屋へと向かう。
中へと入ってすぐにはじめちゃんはあたしを振り返った。



一「A」


『ん？』


一「俺の他にここの部屋の掃除を誰かに頼んだか？」


『ううん、はじめちゃんだけ』


一「犯人は俺と違って相当几帳面な奴みたいだぜ」



そう言ってはじめちゃんが睨みつける先には綺麗にふき取られている機械。
あたしはそれを見てはっと顔を上げた。
そんなあたしに不敵な笑みを浮かべてはじめちゃんは言った。



一「アリバイのトリックは解けた」


『後はどうやって友代を狙うつもりなんだろう…』



その時ドアが開いて向井刑事が入って来た。



向井「何やってんだお前ら。事件は解決したはずだ。明日の10時には船が来る手筈になってるんだ。さっさと部屋に帰れ!」



そう言って向井刑事が部屋から出て行く。
あたしと美雪ははじめちゃんへと視線を向けた。



一「タイムリミットは…朝10時か」

24話→←22話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す