ひとりじゃない証-No.3- 【金田一少年の事件簿】初代実写版

6話 ページ22

滑りやすい洞窟の中をはじめちゃんに手を貸してもらいながら進む。


はじめちゃん、あたしと碧さんの荷物持ってるのによく滑らずに行けるなぁ。
やっぱり男の子だわ。


碧さんを気遣いながらもあたしははじめちゃんと共に進むと小さい滝を通り過ぎて、一軒の白い小屋がある場所に辿り着いた。
そこに着いた途端に臭う匂いに思わず顔をしかめて手で鼻をおさえる。



「なんだ、この匂いは!」



スーツの人が声をあげると、碧さんがみんなの前に出た。



碧「食用の鶏の匂いです。父は完全自給自足でこの島で暮らしてるものですから」


「しかしくせえな!」



「行きましょ」と声をかける碧さんに頷いて皆が鼻を押さえながら後をついて行く。


この臭いはヤバイぞ。


しばらくして、ちょっとした坂を碧さんとはじめちゃんと並んで先頭で上ると、坂の上に屋敷が見えた。



一「おおっ、なんかすげえいいとこですね!」



はじめちゃんの言葉に頷く碧さん。
それから坂を上って屋敷の中に入ると、碧さんは「お父様ー？ただいま到着しました」そう言ってドアを開けて中に入るが誰もいない。
あたしたちもその後に続いて中に入った。



碧「いらっしゃらないの？お父様？」


「なんだ、美作の奴どっか出てるのか」


岩田「それじゃ、私、外捜してきます」


「ああ」



岩田さんが外に出ていくと、迷彩柄の人が「おい、八十島さん!」とスーツの人を呼んだ。


へえ、あの人八十島って言うんだ。


それに答えるように「ん？」と振り返ると、迷彩柄の人が「あれ!」と前を指差す。
つられてあたしたちも見ると、一個の屏風が置いてあった。
すぐに3人組が荷物を置いて駆け寄り、はじめちゃんと美雪が荷物を置いたのを見てあたしたちも駆け寄る。



「これが発見された宝の在処を指し示すという暗号の和歌か」



その屏風に書かれていたのは、

【長き夜をうらみて見れば朱の鳥 泪ぞ枯れぬ 魔の見開きに 山童の 守りし玉へ 我みちびかん】

だった。


なんだこりゃ。



一「なんだか古文の授業みてぇだな」


『そうだね』



はじめちゃんの言葉に同意しながら振り返ると銅像の前に並ぶ日本人形。



『なにあれ…』



あたしの声に美雪とはじめちゃんも振り返ってそれを見た。



美雪「気味悪い置物…」



美雪がそう呟くのを聞きながらあたしとはじめちゃんはそれに近づいた。
クリス君と美雪も後についてくる。

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