ひとりじゃない証-No.3- 【金田一少年の事件簿】初代実写版

5話 ページ21

クリス「君…あの問題何分で解いた？」


一「んー40分くらいかなぁ」



あたしも一緒に解いたけどね。
さも自分一人で解きましたみたいな言い方しちゃって。



クリス「僕は20分で解いたよ」


一「え？」



20分!?


思わずあたしと美雪とはじめちゃんがクリス君を凝視すると下の方から笑い声が聞こえて、見てみると3人の男性が笑っていた。



「なんだ、あんなガキも参加してんのか」



その声に答えるようにクリス君が中指を立てると、ビールを持っていた人が「なんだとぉ!?」と立ち上がるが「おい、やめとけ」と止められていた。
あたしたちはそれを見て再びクリス君に視線を戻す。
すると彼はスッと指を下ろした。
美雪が不意に視線を前に向けると「わぁ!」と声を上げる。



美雪「島が見えてきた!」



笑顔であたしとはじめちゃんを振り返るので、あたしとはじめちゃんも急いで美雪の隣に並んだ。



一「うっわあ!」


『わあ!』


一「すっげえ!!」
美雪「『すごぉい!!』」



声を合わせて見る先には一つの島が浮かんでいた。
船を岸に寄せて自分の宿泊分の荷物を持ってあたしたちが一番先に降りる。



一「うわああ、すっげえ!」


『いい所じゃない!』


一「な!」
美雪「ね!」



あたしたちが騒いでいると、先程の男性たちが降りてきた。



「おい、ガキども急げよ。先行っちまうぞ」



迷彩柄の服を着るその人を先頭に白い服の人が通りすぎ、次にスーツの人があたしたちを横目に見て通り過ぎていく。
あたしたちは口を尖らせて眉を寄せながらそれを見送った。



一「なんだよ、あいつら。道知ってんのかな？」



はじめちゃんがあたしたちにそう問いかけるのに頷くと、岩田さんが「え!?」と驚いたように言った。
「あ、いや、まあ」と曖昧に答える岩田さんに首を傾げていると、



美雪「あ、はじめちゃん、荷物…!」


一「あ、A、荷物持ってやるよ!碧さんも!」



美雪の言葉を遮ってはじめちゃんはあたしと碧さんの荷物を持ってくれた。
岸に上がる碧さんに手を貸してお礼を言う彼女に、はじめちゃんは頷くとあたしに「行くぞ、A」と声をかけてあたしの手を引いて歩いていく。
『碧さんも行きましょ』と声をかけて彼女の手を引いて立ち止まっている美雪の隣を通る。
碧さんと会話をしながら歩いているとクリス君を連れた美雪があたしたちの前に現れて、



美雪「バカ!バーカバーカ!!」



と通り過ぎて行った。



『なに怒ってんの？美雪のやつ』


一「さあ」

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