ひとりじゃない証-No.2- 【金田一少年の事件簿】初代実写版 (ページ10)

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2話ページ10

チャイムの音が鳴り響く。
休み時間、みんなが教室でわいわいと騒いでいる。
あたしも自分の席に座って、前の席を借りて座っている空や隣の席の美雪と話をしていた。
その時、黒板の前で一人の男子がチラシを持って声を上げた。

橘川「高級リゾートご招待!誰か買わねぇか？お安くしとくよ!」

あたしたちはその言葉に顔を見合わせた。

真壁「おい、どこだって？」

橘川「長野県悲恋湖にオープンする一大リゾート!リッチだぜ～!!」

みんながその言葉にざわめき出した。
前の席の空があたしを振り返ってバシバシと腕を叩いてくる。

空「悲恋湖ですって!!リゾート地とか行ってみたいわ～!」

『空…どっちにしたって部活が忙しくて行けなくね？』

そう、空はテニス部に入っているのだ。
しかもテニス部は連休とかに限って練習試合や合宿などが入りやすく、あまり遊ぶこともできない。
まぁ、空は時々ズル休みしてあたしと遊んだりしてるけど。

そんな事を話していると、隣の美雪が手を挙げて立ち上がった。

美雪「一万円!」

『は…？』

橘川「売った!」

思わず声を出して美雪に顔を向けると、橘川はそう言った。
空と顔を見合わせる。

橘川「ただし、男と行ってくれなきゃ困るぞ？俺の名前で」

美雪「男と…」

橘川「招待状の名前は橘川茂様。俺なんだから、男が行かなくちゃ!」

美雪「男と…」

美雪が訝し気に顔を顰めながらそう言うとあたしの後ろからパチンッと指を鳴らす音が聞こえた。
あたしと空と美雪が音の出どころを振り返ると、はじめちゃんが何やらダンスをしてアピールしていた。
あたしと空が机に頬杖をついて冷たい目ではじめちゃんを見ていると、美雪が此方を見て来た。
こればかりは無理…と首を横に振ると美雪は諦めたように「はぁ…」と盛大な溜息を吐いたのだった。