9話 ページ43
部屋から離れて廊下を駆ける。
あたしたちは急いで他の場所を探したが、どこにもいない。
その時、ブーーとブザーが鳴る音が響き渡った。
すぐに引き返してよく聞こえる所へと行く。
一「なんだ、この音」
『劇場の開幕ベルよ』
あたしたちは顔を見合わせると劇場へと急いだ。
ドアを開けて急いで客席を駆け下りる。
舞台には緞帳が下りていた。
一「あれ、緞帳が下りてる」
あたしたちがあの上の部屋にいた時は確か上がってたはずなのだが。
美雪「はじめちゃん、スイッチ」
一「おお」
はじめちゃんが舞台袖にあるスイッチを押しにいく。
ゆっくりと緞帳が上がるとそこには、赤いライトで照らされて、天井についていた照明器に押しつぶされて死んでいる日高さんがいた。
遅れて駆けつけてきたみんなもその光景に目を見開く。
剣持「何てこった…」
警部はそう言うとすぐに舞台へと駆け寄った。
日高さんの片手は天井に高く伸びていた。
あたしたちは呆然とその姿を見ていて、その間に舞台上に警部と向井刑事が上る。
向井「可哀相に……即死だな。ロープが老朽化して切れたってとこですかね」
舞台上に電気が点く。
あたしたちも舞台へと上がった。
警部と向井刑事は日高さんの傍にしゃがみ込んだ。
剣持「いや違うな。これは殺人だ。ワイヤーがあきらかに番線カッターのような物で切られてる」
布施「殺しだなんてそんな…っ!」
真壁「でもさっき悲鳴が聞こえた時にはみんなダイニングにいたじゃないですか」
剣持「確かにここにいる全員にはアリバイがある」
立ち上がりながらそう言った警部を見てはじめちゃんがオーナーを振り返った。
一「オーナー。今日ホテルにいるのはこれで全員ですか？」
黒沢「…はい。従業員は私を含めて3名。お客様も全員」
「オーナー、もう一人お客様がいらっしゃいませんでしたか？」
従業員の男の人が女の人の後ろからそう言う。
すると向井刑事はオーナーの前へと躍り出た。
向井「まだ客がいるのか」
黒沢「あぁ、はい…。昨夜からお泊りのカゲツ様という御方が。ですが仕事を片付けたいからと一度もお部屋からは」
剣持「そのカゲツという客は男ですか？」
黒沢「恐らく…」
剣持「恐らくとはどういう意味です」
オーナーは言いづらそうに口を開いた。
黒沢「顔中に包帯を…」
美雪「顔中に包帯…？」
布施「月島と同じだ」
布施君のその言葉にあたしたちは顔を伏せた。
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紗菜 - こんばんは、私も金田一シリーズ初代が一番好きで見てました。初代の夢小説って他には見かけないので一気に読み上げました。続き楽しみにしてます、更新がんばって下さい。 (2019年9月22日 0時) (
レス) id: 83af26d21e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2019年8月6日 1時
