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5話 ページ39

読み合わせをしていた友代と布施君の間をボーガンの矢が通り抜ける。
布施君はすぐに避けるように床に倒れ込んだ。



布施「誰だよ!?」


一「すいませ〜ん…」



美雪と一緒に舞台へと上がっていたあたしは客席を振り返る。
そこにはボーガンを構えたはじめちゃんが立っていた。



布施「殺す気か!!」



布施君が怪人のマスクをはじめちゃんに向かって投げつける。



一「そんな気はありません……はい…」


有森「小道具に勝手に触らないでよ」


一「あ、わりぃわりぃ…」


『もうはじめちゃん!』



弱々しく謝るはじめちゃんの手から有森君がマスクを取り上げて、あたしもボーガンを取り上げて舞台袖へと置く。
気まずそうに頭をかくはじめちゃんに美雪は呆れたようにため息を吐いて「じゃ、もっかいやろ」と舞台を仕切り直した。



一「なぁ、A」


『ん?』



客席から話しかけてきたはじめちゃんと目線を合わせるように膝を折る。



一「このオペラ座の怪人ってどんな話なんだ?」



はじめちゃん、知らないで来たんだ…。


思わず近くにいた有森君と目を合わせて苦笑を溢す。
あたしははじめちゃんに話をするために舞台からいったん降りた。
とりあえず美雪に任せておこう。
舞台袖へと移動する有森君の後についてあたしも歩き出すとはじめちゃんも後をついてきた。



『オペラ座の怪人は生まれつき醜かったの。そのために音楽の才能に恵まれながらオペラ座の地下に住まなくてはならなかった』



有森君の所に辿り着くと、有森君はポンプを使って足元に煙を撒く。



『だけどある時、駆け出しのオペラ歌手、クリスティーヌに恋をしたの』


一「友代がやってる役だろ?」



あたしはひとつ頷いた。
するとしゃがみ込んでいた有森君が立ちあがった。



有森「そのクリスティーヌをスター歌手にするためにオペラ座の怪人は次々と恐ろしい殺人事件を起こしていくんだ」



そう言って舞台を見つめる有森君をあたしとはじめちゃんは顔を見合わせて笑みを浮かべて見た。
その時、



友代「いい加減にしてよ!」



友代の怒ったような声が聞こえた。
見ると、上手く出てこれなかった日高さんに痺れを切らしたみたいで彼女に向かって怒っていた。



友代「出てくるタイミングが遅すぎるって言ってるでしょ」


日高「ごめんなさい」



すぐに謝って舞台袖へと戻る日高さんに友代はなおも続ける。



友代「これじゃあ演劇コンクール所じゃないわ」



これはマズイ。

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紗菜 - こんばんは、私も金田一シリーズ初代が一番好きで見てました。初代の夢小説って他には見かけないので一気に読み上げました。続き楽しみにしてます、更新がんばって下さい。 (2019年9月22日 0時) (レス) id: 83af26d21e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2019年8月6日 1時

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