13話 ページ47
真正面だけ解かれた包帯の下から覗くのは、左半分が黒く焼け垂れた彼女の顔で。
あたしがそんな彼女の姿に目を見開いて見つめていると、美雪があたしの肩に顔を埋めて、そして晴美たち女子があたしの制服にしがみ付く。
月島「天国に憧れる」
月島先輩はその台詞を言った後、何かを覚悟するように上を向いて目を瞑った。
そしてそのままそこから飛び下りた。
みんなの悲鳴が響く中、あたしが『月島先輩!』と呼びかけると、彼女は薄っすらと目を見開いてあたしに微笑みかけのだ。
『今でもみんな、あの時の彼女の台詞が忘れられないんだよ』
あの微笑みも…あたしは絶対に忘れない。
幾ら顔が醜くても、焼けただれても彼女のあの美しい微笑みだけは、どんな姿になっても変わらないから。
じっと宙を見詰めながらそう話すあたしの姿をはじめちゃんが見つめる。
『地獄の炎に焼かれながら……それでも天国に憧れる…』
彼女のあの時の声が今でも耳にこびりついてる。
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紗菜 - こんばんは、私も金田一シリーズ初代が一番好きで見てました。初代の夢小説って他には見かけないので一気に読み上げました。続き楽しみにしてます、更新がんばって下さい。 (2019年9月22日 0時) (レス) id: 83af26d21e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年8月6日 1時