3話 ページ37
洋館へと入り、各自部屋に荷物を置くとすぐに舞台のある劇場へと向かう。
舞台監督としての役目をしている美雪の隣にある椅子に座って練習風景を見る。
一応雑用係兼監督補佐なんだけど、やる事ないんだよねぇあたし。
布施「私はオペラ座の怪人。クリスティーヌ……思いのほかに醜いだろう？この禍々しき怪物は地獄の炎に焼かれながら、それでも天国に憧れ…」
クリスティーヌ役の友代とオペラ座の怪人役の布施君が舞台に立つ。
布施君の台詞が最後まで続く前に舞台袖からバレリーナの格好をした日高さんが出て来た。
日高「きゃあっ!」
その声に反応してすぐに布施君が舞台袖へと引いていく。
友代も退くとあたしは立ち上がって美雪と一緒に舞台へと上がった。
美雪「あ、ちょっと日高さん。相手はオペラ座の怪人よ？だからもうちょっと恐怖を表現してみてくれる？」
『なんか今の悲鳴だと痴漢にあった女の子みたいに聞こえちゃうからさ』
美雪とあたしがそう言うと日高さんは頷いた。
あたしの言い方の表現に日高さんはふふっと笑ってくれた。
それを見てあたしも頷き返す。
『ちょっと休んでもう一回やろ？』
日高「はい」
美雪「じゃ、次のシーン行きまーす!」
美雪の掛け声にみんなが返事をして次のシーンに取り掛かる。
あたしは舞台袖に残ると言う美雪を置いてさっきの席に戻ろうと舞台から客席に続く階段を下りると、目の前に小道具がつまっているダンボールを持ったはじめちゃんがいた。
一「頑張ってるねぇ、いいよ!すっごいいいよ!」
あたしははじめちゃんに対して呆れたように苦笑しながら首を振る。
真壁「おい、有森!」
真壁君の声にあたしは舞台上で役者たちと話している美雪を横目で見てはじめちゃんと一緒に有森君のいる場所に向かった。
どうやら有森君に頼まれた物をはじめちゃんと真壁君が運んできたみたいだ。
真壁「運んできたぞ」
真壁君の言葉に続いてはじめちゃんがダンボールを置く。
あたしは近くの席に座った。
一「なぁ、有森」
有森「ん？」
あたしの隣に座ったはじめちゃんが有森君を振り返る。
一「どうしてお前、舞台に立たないんだ？」
有森「裏方の仕事の方が好きなんだ」
へぇ、あんまり目立つのが好きじゃないんだ。
真壁「でもさぁ、こんなホテルに劇場なんて作ったって誰が見にくんだよ」
有森「オーナーの趣味だよ。うちの演劇部は毎回夏に招待してもらってるんだ」
真壁「ふ〜ん」
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紗菜 - こんばんは、私も金田一シリーズ初代が一番好きで見てました。初代の夢小説って他には見かけないので一気に読み上げました。続き楽しみにしてます、更新がんばって下さい。 (2019年9月22日 0時) (
レス) id: 83af26d21e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2019年8月6日 1時
