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19話 ページ27

そして次に向かうは小林さんの所で。

ロッジに入ると、小林さんは一生懸命ラジカセと向き合っていた。



『小林さん、何してるんですか?』


小林「ニュースを聞いてるんだよ」



あいかわらずの小さい声だ。



一「ラジカセはジェイソンに壊されたんじゃ…」


小林「私が直したんだ。それがね、ちょっと変なんだ」


一「『ちょっと……変?』」



聞きながら近寄ると小林さんは「聞こえない」と言ってラジカセに耳をもっと近づけた。



一「小林さん。あなたが死体の絵しか描かなくなったのは3年前の事故が原因じゃありませんか?」



はじめちゃんがそう聞くと、小林さんは驚いたように振り返った。

そして次に向かうは、聖子さんのロッジで。



聖子「3年前の事故…?そんなこと聞いてどうすんのよ」


『教えてください。奥さんもあの時…』



聖子さんは1回あたしたちに向けた顔をすぐに戻すと、「君たち」と呼んだ。
「『はい』」と返事をすると、聖子さんはベッドに腰掛けて足を組んだ。
スラリとした足に思わず目が奪われそうになって視線を逸らす。


いや、女のあたしがうらやむほどの美貌の持ち主で…。



聖子「あたし犯人知ってんのよ」


一「『え?』」


聖子「聞きたい?」



あたしたちが何も答えずにいると。



聖子「いつきよ。いつき陽介」



あたしたちは顔を見合わせた。

そしてあたしたちは美雪たちのいるロッジへと戻ってきた。
寝ている美雪と空の横で甲田さんの対峙する。



一「甲田さん、あなたも3年前に沈没事故を起こした豪華客船に乗り合わせていましたね」


甲田「……ええ。…それが」


『メンバーの中、少なくとも5人が3年前、オリエンタル号に乗り合わせていました。このメンバーが意図的に選ばれたことも間違いありません。けど…どうして500人もの乗客の中から、甲田さんたち7人だけが?』



あたしがそう問いかけると、甲田さんは視線を逸らした。
その時、「うわあああ」と叫び声が聞こえてきて、あたしたちはすぐに駆け出した。



一「こっちだ!」



はじめちゃんの指差した方向に行くと、そこは小林さんのロッジで。
彼はベッドとベッドの間に首筋を切られて死んでいた。
ベッドの上にはスケッチブック。
駆けつけた聖子さんが悲鳴を上げて顔を隠し、九条さんも声をあげる。



九条「ジェイソンは一体、何人殺したら…!」


一「ラジカセが…」



はじめちゃんの言葉に視線を向けると、ラジカセは粉々に壊れていた。

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紗菜 - こんばんは、私も金田一シリーズ初代が一番好きで見てました。初代の夢小説って他には見かけないので一気に読み上げました。続き楽しみにしてます、更新がんばって下さい。 (2019年9月22日 0時) (レス) id: 83af26d21e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2019年8月6日 1時

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