4話 ページ12
聞けば、あたしと長く一緒にいれるのが嬉しいらしい。
呑気な奴…。
あたしは空を横目に見て、溜息を吐くと目の前へと視線を向けた。
そこには、葉っぱに埋もれながら何かをぎゅっと抱きかかえて此方を見る眼鏡の人。
同じくその人を見ていたらしい美雪とはじめちゃんもその人と視線が合って、あたしたちは気まずげに視線を合わすと横へと視線を逸らした。
美雪より少し遠くに立っているスーツを着ている男の人。
はじめちゃんがニヤニヤとしながら前を向き直ると、美雪が「ねぇ」と言いながらはじめちゃんの肩を叩いた。
そしてあたしたちに聞こえるぐらいの小声で話す。
美雪「あの人たちもさ、わたしたちと同じツアーなのかな?あ、でも集合場所にいるんだからそうだよね?」
一「うん」
ニヤニヤとした顔で頷くはじめちゃん。
あたしはその顔を目を細めながら見た。
『なにニヤついてんのよ』
するとはじめちゃんは急に真剣な顔になって。
一「めくるめく甘い夜はもうすぐやってくる」
そう言ってフッと笑うはじめちゃんにあたしは呆れたように視線を逸らしてから彼を睨みつけた。
『こないわよ!もう、はじめちゃんちょっとでもやらしい期待してるんだったら大間違いだからね!?』
それでもニヤつくはじめちゃん。
そんな彼を見ながら美雪と空は同時に溜息を吐いた。
美雪「(さーちゃんがいるから嬉しいんだろうなぁ)」
空「(Aがいるから嬉しいんだろうなぁ)」
そんな事を考えている2人に気付くはずもなく、あたしがニヤつくはじめちゃんの肩をバシッと叩くとクラクションの音が聞こえた。
視線を向けるとバスが此方に向かって来た。
ドアが開くとその中から水色の服を着る女性と汗をハンカチで拭く男性が降りて来た。
女性は辺りを見回しながら口を開く。
「これが一大リゾート?あんた騙されたんじゃないの!?」
そして次に降りてきたのは2人の男性で。
彼らは女性と男性を挟んで両脇に立った。
「確かに間違いないよ」
バスが目の前から去っていく。
まぁ、女性の言いたいこともわかりますけどね。
すると一人の男性があたしと美雪と空を見て声をかけてきた。
「あれ?七瀬君と鈴蘭君と武内君じゃないの?」
美雪「え?」
「君達もこのツアーに?」
あたしはその顔を見て『あっ』と声を上げた。
『遠野先輩…!』
美雪と空も「あっ」と声を上げる。
するとはじめちゃんがあたしの方に詰め寄って来た。
一「誰」
57人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗菜 - こんばんは、私も金田一シリーズ初代が一番好きで見てました。初代の夢小説って他には見かけないので一気に読み上げました。続き楽しみにしてます、更新がんばって下さい。 (2019年9月22日 0時) (レス) id: 83af26d21e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さきっち | 作成日時:2019年8月6日 1時