4話 ページ37
若葉を取り戻しにいくという先生に美雪も賛成して、若葉の家がある十文字村に行くことになった。
あたしは最初、嫌だと駄々を捏ねていたが無理矢理美雪に引っ張られて寝ているはじめちゃんと一緒に車の後部座席に押し込められた。
ったく、めんどくさいことにはあんまり関わりたくないのにさぁ。
そしてしばらくして山道の国道を走っているとあたしの隣にいたはじめちゃんが目を覚ました。
一「…A!」
『よく寝てたわね』
一「あ、美雪!先生!」
助手席に座っている美雪と運転している先生に気付いたらしい。
はじめちゃんは「どうなってんだよ、これ」とあたしを見た。
あたしだっていやいやここにいるんだけど。
『若葉を奪い返しに行くんだって』
一「は?」
美雪「このままほっといたら若葉は顔も見た事ない男と結婚させられちゃうのよ?」
一「そりゃあ可哀相だけどさ…」
小田切「すまんな、金田一。鈴蘭も。力を貸してくれ。彼女がこんなことになったのも僕のせいだ…僕がもっとちゃんとしてれば……でもな、僕は本当に彼女のことを愛してるんだ」
一「『はあ…』」
まあ、その気持ちはわかるけど。
なんであたしたちまで?
美雪「嫌ならいいわよ?ここで降りても」
美雪のその言葉にはじめちゃんは周りを見回した。
そこは山道で車なんてひとつも通っていない。
今まで寝ていたはじめちゃんはここまでの道すらもわからないだろう。
一「おぉ…おい!こんな所で降ろされてどうやって帰ればいいんだよ!!」
美雪「だったら黙ってつきあいなさい。さーちゃんも」
『……はあい』
これは拒否権はなさそうだ。
それから数時間後。
あたしたちは車を降りて眼下に見える十文字村を見下ろした。
十字の形の先には4つの館が見える。
一「こりゃあまさしく十文字村だ…」
はじめちゃんがそう呟いた時、後ろからカラスの鳴き声が聞こえてあたしたちは振り返った。
そこにはカラスを鳥籠にいれた、全身真っ黒の綺麗な女性が立っていた。
美雪「あの…時田若葉さんの家はどちらかご存知ですか?」
あたしの隣にいた美雪がそう聞くと女性は指を指した。
「あの時計の館です」
あたしたちは後を追うように振り返る。
「この十文字村には4つの異人館があります。時田十三を主とする「時計の館」。風祭淳也を主とする「風見鶏の館」。冬木三子を主とする「白い館」。そして私の父、兜礼二を主とする「鎧の館」」
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さきっち(プロフ) - あさん» そうなんですか! (2019年12月7日 11時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 私は山ちゃんのが一番好きです!マンガ全巻持ってるんですが山ちゃんが一番似てる! (2019年12月7日 0時) (レス) id: 3f8f946044 (このIDを非表示/違反報告)
johnny’s_ldh_love(プロフ) - すみません、いろいろミスして何回も送っちゃいました!申し訳ないです (2019年12月2日 7時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
johnny’s_ldh_love(プロフ) - 突然すみません!名探偵コナンっていつ頃更新しますか? (2019年12月2日 7時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
にーにゃ - 突然すみません!名探偵コナンっていつ頃更新しますか? (2019年12月2日 6時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月28日 0時