21話 ページ22
-はじめside-
浅野先生が見守る中、俺は一生懸命血痕の跡を探していた。
一「遅いな、Aと美雪のやつ…」
そう言って部室のある上の階を見上げた時、外から女子2人の「「きゃああ!」」と言う悲鳴が聞こえた。
先生と顔を見合わせてすぐに声の聞こえた方へと走る。
窓から覗いてみると、床にへたりこんでいる女子とその傍で立って何処かを見ている女子がいた。
その視線を追って木の方へと視線を向けると、高い枝から首を吊られている女子生徒が2人。
俺はどうにもその2人に見覚えがあって、視線を上げていくと頭から血を流した美雪とAだった。
ガシッと窓枠を掴む。
一「A…!!美雪…!!」
俺は「誰か!誰かあ!!」と辺りを見回して叫んだあと、呆然と2人を見上げている先生を置いて、走り出した。
***
手術中という文字が頭上に光る。
俺は俯きながら手術室の前に立っていた。
美雪の家族が椅子に座って終わるのを待っていた時。
「Aは…!?」
1組の男女が此方に駆けてきた。
幼い頃お世話になった、Aのお母さんとお父さんだ。
Aのお母さんは社長で、お父さんは世界的有名な推理作家。
2人とも俺と美雪にもとても良くしてくれた覚えがある。
「あなた…もしかして一君?」
Aのお母さん───理恵さんが俺を見て目を丸くする。
隣にいるAのお父さん───優也さんも驚いた顔をしていた。
俺はおばさんたちに頭を下げた。
Aは…俺が守ってくれるって信じてた。
俺もあいつを……Aを守ってやるって思ってたのに。
一「すいません、おばさん、おじさん。俺が一緒にいたのに…!!」
頭を上げられなかった俺の傍におじさんの靴が見えた。
殴られる覚悟だった。
それぐらいの事をしたのは自覚してた。
だけどおじさんは俺の頭を撫でてくれた。
優也「お前が…お前が無事で良かったよ」
理恵「どうせあの子……自分から突っ込んでいったんでしょ?一君が謝ることじゃないわ」
優也「Aの奴…どうせ空手が使えるからって油断してたんだろ。お前のせいじゃない」
俺が頭を上げると2人は優しく微笑んでいて。
つい泣きそうになっているとおじさんはガシガシとその力強い手で頭を撫でてくれて、おばさんは俺を抱きしめてくれた。
その時、警部が来た。
警部「金田一君……わかったろ。捜査は子供の遊びじゃないんだ」
息を切らせながらそう言う警部に俺は視線を落とすと警部は頭をかきながら去って行った。
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さきっち(プロフ) - あさん» そうなんですか! (2019年12月7日 11時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 私は山ちゃんのが一番好きです!マンガ全巻持ってるんですが山ちゃんが一番似てる! (2019年12月7日 0時) (レス) id: 3f8f946044 (このIDを非表示/違反報告)
johnny’s_ldh_love(プロフ) - すみません、いろいろミスして何回も送っちゃいました!申し訳ないです (2019年12月2日 7時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
johnny’s_ldh_love(プロフ) - 突然すみません!名探偵コナンっていつ頃更新しますか? (2019年12月2日 7時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
にーにゃ - 突然すみません!名探偵コナンっていつ頃更新しますか? (2019年12月2日 6時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月28日 0時