ひとりじゃない証 【金田一少年の事件簿】初代実写版

14話 ページ15

あたしたちが教師と入れ替わりに教室に入るとあたしの友達の"空"が駆け寄って来た。



空「どうだった？取り調べ」


『少しも進展なし』



そう言いながら机に座るとミス研のみんなや美雪、金田一君も周りに集まった。



「とにかくみんな白だったんだな」


美雪「当たり前でしょう」



男子の言葉に美雪が振り返りながら答える。
すると女子生徒が口を開いた。



「ねぇねぇ、聞いた？あたしたちには内緒にしていたらしいんだけど、ずっと先生たちの所には脅迫状が来てたらしいの。放課後の魔術師から」



あたしと金田一君は顔を見合わせると、その子の席に駆け寄った。



一「なあ、脅迫状ってどんなやつだ？」


空「浅野先生に聞いてみたらいいんじゃないかしら？」


『浅野先生に…？』



声をかけてきた空の言葉にあたしは金田一君と顔を見合わせた。


たしかに、浅野先生なら教えてくれそうだな。


とりあえず放課後、美雪と金田一君と一緒に浅野先生の家へ向かった。
先生は部屋へ入れてくれたけど、ずっと視線を落としている。



美雪「…先生、大丈夫ですか？」



美雪の言葉に浅野先生は顔をあげる。



浅野「黙っていてごめんなさいね。脅迫状のこと、みんなにも話しておけばよかった。あなたたちにまで心配かけちゃって。自分が情けない…!」



そう言って先生は顔を覆った。
あたしの隣にいた美雪が「先生…」と言う。



浅野「あたしのせいよ。あたしがあの時、七不思議の秘密を探ろうとしているあなたたちをもっとちゃんと止めていれば…!」


一「先生のせいなんかじゃありませんよ。七不思議だの放課後の魔術師だのそんなもの本当にあるはずないんです。きっと誰かがでっちあげているに違いないんですよ」


『そうですよ、先生』



あたしが金田一君の言葉に頷くと、先生はやっと顔を上げて少しだけ笑ってくれた。



浅野「嬉しいけどね…お願いだから、もう七不思議に関わるのはやめてほしいの。あの学校はね……元々呪われてるのよ」


『呪われている？』



そう問いかけると、美雪はあたしから浅野先生へと顔を向けた。



美雪「30年前に起こった事件の事ですね。わたしも聞いたことがあります」



浅野先生はゆっくりと話をしてくれた。


30年前にね、今学校が建っている土地にある大学病院の研究施設があったの。
そこに自分を魔術師だと思い込んでいる入院患者がいてね、その男が…何人かの患者を連れて失踪し、全員を惨 殺して自分も自 殺したの。

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