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-Aside-
華奈が私に向かって手を振ってくるので、私はニコッと微笑みながら華奈に手を振った。
近寄ってきたアンナがぎゅっと服を握ってくるので頭を撫でとく。
私が腰掛ける椅子に座っている尊はじっと新入りの子を見ている。
尊「…テメーか、物好きな野郎は」
翔平「はい!赤城翔平、吠舞羅に入りたくて来ました!」
翔平くんは帽子を脱ぐと姿勢を正して私と尊をまっすぐ見ながらそう言った。
へぇ…熱意はあるんだ。
私が感心していると、尊は翔平くんを見てス…と左手を差し出した。
握手だと思っているらしい翔平くんはホッ…と安堵の息を吐く。
翔平「あっ…ありが…」
応えようと手を差しだしたその時、尊の手から微かな炎が上がる。
驚いた翔平くんの手が止まったが、尊は構わず炎を燃え上がらせた。
多々良「…どうした?仲間になる気なら、手を取りなよ」
不敵な笑みを浮かべながら尊が翔平くんを見上げる。
さん「やめとけ。大やけどすんぞ」
後ろからさんちゃんがそう言う。
翔平くんの両隣にいる多々良と華奈はにこにこと笑顔を浮かべて見守っている。
さあ、どうする?
翔平くんは炎に戸惑っていたようだが、目を瞑るとガシと尊の手を摑んだ。
その瞬間、ゴオッと燃え上がる炎。
翔平「!!!わっあ、あ…」
戸惑いの声をあげる翔平くんの肩に華奈が手を置いた。
炎はメラメラと翔平くんの右肩までを覆うと、ジュッと左肩を強く覆った。
『尊』
それを見て私が尊の肩に手を置くと炎は消えてゆき、尊は私の頭を一撫ですると部屋の奥へと向かっていった。
私は肘掛から降りると、翔平くんの顔を覗き込んでニコリと笑みを浮かべた。
『あの炎は「ふさわしい者」は傷つけない。おめでとう。これで君は
翔平くんを連れて一階に下りると、皆が彼を出迎えた。
彼のマークはどうやら左肩についたらしい。
出雲「お、ほんまに合格したみたいやな」
八田「言ったっしょ草薙さん!あいつはきっとイケるって!」
鎌本「来いよ!翔平っつったっけ」
翔平「どーもどーもよろしくっす!」
私は翔平くんの隣を通り過ぎると、カウンターに座った。
隣に華奈も座る。
出雲「A、紅茶でええんか?」
『うん』
華奈「華奈もー」
出雲は私達に微笑むと紅茶の準備を始めた。
それを見ながら頬杖をついていると、隣にいた八田ちゃんが此方を向いた。
八田「Aさん、尊さん何か言ってたっすか?」
『んー…何も?』
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かなと - 違反だということを少しは意識して下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月24日 8時