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アンナ「これ…タタラとカナと作ったの。食べて」

『いいの?』


コクリとアンナが頷く。
そう言えば、昨日華奈が「明日、多々良とアンナとケーキ作るんだぁ〜!」って言ってたな。
だからあの子珍しく早起きして、一階のキッチンで準備してたのか。


『ありがとう、アンナ』


2切れのケーキが乗っている皿を受け取って頭を撫でると、彼女は頬を染めて嬉しそうに頷いた。


『尊、食べよ』

尊「ああ」


頷いた尊と一緒にソファに座ってテーブルに皿を置く。
そして皿に乗っていたフォークでパクリと尊と同時に食べる。
口内にふわ〜と甘いケーキ特有の味が広がった。
うん、上手い。


『美味しいよ、アンナ。ね、尊』

尊「…ああ」


一つ頷いて此方を心配そうに窺っていたアンナに笑みを浮かべる。
尊も満足そうに頷くと、アンナはパァッと顔を輝かせた。
そして彼女は此方に駆け寄ってくると、私の膝の上に座って見上げてくる。
私は一口サイズにケーキを分けると、彼女の口にケーキを持っていった。


『アンナ、あーん』


大人しく口を開けてケーキをもぐもぐと食べるアンナ。


アンナ「美味しい…」


笑顔でそう言ったアンナに私と尊は顔を見合わせて笑みを浮かべた。
時々アンナに食べさせてあげながら3人でたわいもない話をする。
こんな時間が私は好きだった。


多々良「あれ、アンナここにいたんだ」

華奈「お、Aと尊がケーキを食べてる」


入って来たのは多々良と華奈で。
私と尊の手にある皿に気付いたらしい。
どうやら出雲は来ていないみたいだ。
ま、定休日だし。


多々良「それ、オレ達で作ったんだけどどーかな?」

『美味しかったよ』

華奈「お、やりぃ!」


指をパチンと鳴らしてガッツポーズをする華奈に私がアハハと笑う。
すると多々良がタンマツを取り出した。


多々良「草薙さんにバター使い切っちゃったって言わなきゃ」

『え、ケーキ作るのに全部使ったの?』

多々良「いや、それがー」


誤魔化すようにアハハと頭に手を当てて笑う多々良に、アンナがボソリと言った。


アンナ「カナが失敗した」

『あ、なるほど』


目を泳がせている華奈を見ながら納得した。
相変わらず料理系はダメだな、こいつ。


華奈「華奈、お菓子作り苦手なんだって」

尊「じゃあやるなよ」

華奈「だって…」


ぶぅと頬を膨らます華奈に多々良がツンツンと膨れた頬を指して遊ぶ。
私は楽しそうな皆の声を耳に入れながら窓の外を見た。
雨はまだ降っている。

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設定タグ:K , 吠舞羅 , 周防尊   
作品ジャンル:アニメ
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かなと - 違反だということを少しは意識して下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月24日 8時

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