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鎌本がアンナと馬刺しと藤島を連れて出て行った後、密かにその後をエリックも追っていき、私達は怒る出雲を宥めながら店の掃除に取り掛かった。
それにしても馬刺しの奴、ずいぶんと荒らしてくれたな。
出雲「…ったく、とんだもん連れ込んで…」
多々良「どうするの?」
出雲「まあ…ストレイン絡みは青服の仕事やしな」
私と華奈は2人で重いテーブルを定位置に置く。
それを見た出雲が「重かったやろ?テーブルは野郎に任せてA達は軽いもんやってくれればええよ」と言ってくれた。
やっさしー、出雲。
すると、
八田「Aさん!華奈さん!後はオレらがやるっすよ!!」
そう言って他のテーブルは八田ちゃんたちが運んでくれた。
私達はお礼を言って出雲たちに近寄る。
翔平「青服って…あのよくわかんない警察みたいな連中すか」
『確かに一種の警察みたいなものかもね。けど『セプター4』っていって、トップはうちの大将と同じ“王”だよ』
華奈「青の王。結構最近誕生した王様だよ」
私と華奈が翔平にそう言うと「へぇ…青の…王様…」と呟いた。
多々良「…そういや、“彼”はどうしてるだろうね?」
出雲「まー、元気なんとちゃうかー?知らんけど」
『だろうね』
華奈「会う機会ないからわかんないけど」
私達がそう言うと、華奈はチラリとさんちゃんを弄んでいる八田ちゃんを見た。
翔平「“彼”?」
多々良「んー…。以前、ウチの子でセプター4に行っちゃったのがいてねー」
『まーそれはそうと、あの馬がストレインなら青服が動いてるかもね』
私の予想通り、鎌本たちの所には青服2名が来ていたらしい。
その後、掃除を終えて皆でワイワイといつも通りに騒いでいると、鎌本から出雲に電話がかかって来た。
出雲「もしもし」
ギャーギャーと皆はいつものように騒いでいる。
出雲「なんや鎌本か。おまえら、今どこおんねん」
華奈「あんた達うるさい。静かにしなさいよ」
聞き取りにくそうな出雲を見た華奈が周りに注意していると、出雲は「………え?」と声を発した。
箒を持っている多々良と華奈と、その前にあるソファで座っている私と尊はその声を聞いて出雲に視線を向けた。
『…出雲?』
そう声をかけると電話を終えたらしい出雲は私達の方へと来た。
出雲「馬刺しがアンナを背中に乗せたまま暴走したらしい」
華奈「え?」
私達はその言葉に目を見開いた。
私と華奈は視線を合わすと、同時に額を抑えて溜息を溢したのだった。
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かなと - 違反だということを少しは意識して下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月24日 8時