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とりあえず、出雲と尊が私の所へ戻ってきて、華奈たちからの連絡を待つ事数分。
プルルル…と私のタンマツが音を立てて、スカートのポケットから出すと着信は多々良からだった。
『はい』
多々良【あ、A?】
『お疲れ様、多々良。見つかった?』
多々良【うん、千歳いた】
『ちゃんと生きてる?』
多々良【生きてる生きてる】
多々良が向こうで【はい】と千歳にタンマツを渡すのを聞いていると、後ろからタンマツを取り上げられた。
振り返ると、尊が私のタンマツを耳に当てていて、私は近くに来たアンナの頭を撫でながら出雲と顔を見合わせた。
千歳【…Aさん?】
尊「よお。助けられたいか?」
いきなり私のタンマツから尊の声が聞こえてきた千歳は絶対に今顔を青褪めていることだろう。
千歳【いっいえ、自分の尻は自分でぬぐいます…】
千歳のその言葉に尊はフッと笑うと私にタンマツを向けた。
そのまま通話口に向かって口を開く。
『尊の機嫌がいい日でよかったね』
とりあえず、皆にも声が聞こえるように通話をスピーカーモードに変える。
そしてタンマツを仰向けにすると出雲が私の肩に手を添えて後ろから顔を覗かせながら口を開いた。
出雲「千歳…あの女、有名な殺し屋やで」
『“指きりマリア”で名が通ってるストレインだよ』
千歳【は…!?】
出雲「約束破った依頼主は必ず殺すゆうんで恐れられとるらしいわ」
『だけど善良な市民は殺さないはずなんだけど…あんた何したの?』
出雲「まあ想像はつくけどな」
どうせ、酔いつぶれてヤっちゃった挙げ句、記憶がないんだろうなあ。
指きりマリアのあの調子と千歳の青褪めた顔を見ればわかる。
それからいろいろと私と出雲で集めた情報を千歳に教えてあげてから、私は電話を切った。
出雲「千歳も勇者やなあ。あのストレインに手ェ出すとは」
私はベンチに座る尊の膝の上に座らされてから千歳と一緒にいるであろう華奈にメールで指きりマリアの情報を送ってやる。
出雲はそんな私を見ながら尊の隣に腰掛けた。
そこで顔を出したのは缶コーヒーを飲んでいる翔平。
翔平「ストレインって?」
出雲「翔平は知らんか。俺らみたいに王に力を与えられたわけやないフツーの能力者が時々出るんや」
翔平「へえ………あれ?でもそれって顔まで売り出してるわけじゃないっしょ。草薙さんとAさん、そういう情報どこで?」
出雲「ははは、企業秘密や」
『私もー』
まあ、顔が広いだけだけどね。
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かなと - 違反だということを少しは意識して下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月24日 8時