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ブラウスと下着を洗濯機に入れて乾燥させている中、私と華奈はすでに乾いているスカートとパーカーに着替えた。
私より華奈の方が早く上がるので、華奈が髪の毛とかを終わらせている間に乾燥が終わり、私は着替えて華奈をお風呂場に残すとブラウスを持って尊の部屋へと向かった。
あ、もちろん下着は乾かした後、ちゃんとつけている。
『尊ー。ちょっと部屋でブラウス干しといてくれる?』
ガチャッとドアを開けると、尊はベッドの上で寝ていた。
その隣にはアンナも横になっていて、私は思わず笑みを溢すとそっとハンガーを取って、私と華奈の青色とピンク色のブラウスをかけた。
尊「…帰ってたのか」
後ろから声をかけられて振り返ると、尊がベッドに腰掛けて此方を見ていた。
私はブラウスを掛けて、尊の元に近寄る。
『うん。ブラウスなんだけどさ、帰ってくるときにずぶ濡れになっちゃって。干しといてくれる?』
尊「ああ」
『ふふ。ただいま、尊』
尊「…おかえり」
ふわりと笑ってそう言うと尊も普段は見せないような笑みで笑い返してくれた。
軽く尊の額に口付けて華奈の元へ行こうとすると、ぐいっと後ろから腕を引っ張られた。
気付いた時には尊の膝の上に横向きで座らされていて、あぁ尊が引っ張ったんだなって理解する。
『なあに?華奈の所行かなきゃ』
尊「ちゃんと髪、乾かしてからいけ」
『ええー』
背中まである髪を乾かすのには正直時間が凄くかかるからめんどくさい。
華奈は癖っ毛なので、雨の日だと湿気で酷くなるから今洗面所で必死にドライヤーとアイロンを使って髪の毛と格闘している頃だろう。
私の場合は乾かすだけで自然とゆるふわになるので華奈みたいに格闘することはあまりない。
『尊が髪の毛、拭いてくれる?』
肩にかけたままのタオルを摑みながら尊を見上げると、彼はため息を吐きながらも私からタオルを取り上げて拭いてくれた。
尊ってなんだかんだで優しいよねぇ、我が侭聞いてくれるし。
人に拭いてもらうって気持ちいいよね。
眠くなる。
尊「寝るなよ」
『寝ないよー』
尊「そう言って前寝ただろ」
『ありゃ、そうだっけ』
よく覚えてるなぁ、尊は。
『尊ってなんだかんだで優しいよね』
尊「あ?」
『いつも思う。尊は私に甘い!』
尊「……勝手に言っとけ」
視線を逸らしてそう言う尊をタオルの下から見上げてニコリと笑う。
私は尊の足をまたいで立ち膝になると上から尊を見下ろした。
アンナを起こさないように。
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かなと - 違反だということを少しは意識して下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月24日 8時