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風に混じって妙な臭いを感じたとき、ビリーが突然、挙動を乱した。
ルフィ「あれ？どうした!?」
ナミ「きゃっ───」
降下しようとしていたビリーが、翼をひるがえして急上昇した。
カナ「うええっ!」
『なにこの臭いっ。』
人一倍嗅覚が強いAとカナも急いで翼をひるがえして、ビリーの後を追いかける。そのまま空中の岩礁に避難すると、ビリーとAとカナはぷはぁっ、と苦しそうに息をついた。
ナミ「(どうして、息を止めたりなんかして……？)」
ルフィ「A、大丈夫か？」
『うぅ〜、ルフィ〜……』
心配そうにAの顔を覗き込むルフィに、Aは涙目になって抱き着いた。よしよしとあやすように頭を撫でる。カナもビリーに寄りかかってダウンしていた。
ナミは、そんな三人の様子を疑問に思って、あらためて岩礁から島を見下ろした。
ルフィ「村だ。」
ルフィが指さした。
カルデラ湖とは別の湖のほとりに、小さな村が見えた。遺跡ではなく、人が住んでいる様子だ。
「あの樹は……」ナミは村を囲った樹林帯に気がついた。「シキの王宮のまわりにもあったわ!」
幹が先細りで、空に根を生やしているように見える、独特の形をした樹だ。
カナ「ぞゔな゛の゛？」
ビリーに寄りかかってしんどそうなカナがナミを振り返る。
ナミ「ひょっとして、あの樹の臭いが苦手なのかも……」
『あたってる……』
ナミがいうと、ビリーはクォッと鳴いて、うなずき、Aはルフィに甘えながらうなずき、カナも無言でうなずいた。
あの樹木からは、花粉のような、なんらかの化学物質が放出されているのではないか。それがビリーとAとカナの苦手な臭いを放つのだ。
だが、村であれば仲間がいるかもしれない。やむなくナミは、ビリーとカナに鼻栓をして強行突破をはかることにした。
カナ「ねえ、なんでカナとビリーだけなの？Aは？」
ナミ「Aにそんなことさせられないでしょ。女の子なんだから。」
カナ「カナはいいんだ……」
ガクッと肩を落として落ち込むカナの肩を叩いて、Aは鼻に巻いたハンカチをキツく結び直した。臭った臭いに眉をしかめる。
滅竜魔法とは、人間の身体に竜の特性を持たせることだ。肉体を疑似的に竜に近しい属性とするため、嗅覚及び聴覚が異常に発達(常人の数倍)するのだ。だからこの鼻につく臭いは、ハンカチなどで鼻を覆っても意味が無かったりする。
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SARA(プロフ) - 大好きです！ルフィ夢が好きなのでありがとうございます！🤍 (5月13日 20時) (
レス) @page1 id: 1b37a3f4d3 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初見です。はじめまして、 夢小説を読んでいると、繊細な文章、語彙力を尊敬したい気持ちを持ちました。ルフィと夢主との関係性も好みなタイプでした。 (2021年1月12日 16時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - 面白いです！これからも楽しみにしてます！ (2020年4月23日 1時) (レス) id: 7fd268645f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2020年4月22日 1時
