【名探偵コナン】 双子は美少女で名探偵と怪盗!? から紅の恋歌

8話 ページ8

言い争う二人を蘭が不安そうに見ていると、歩美が「蘭お姉さん」と呼んだ。

歩美「先に外で待ってようよ」

光彦「何かもめているみたいですし」

歩美「行こ行こ!」

歩美が蘭の手を引っ張り、廊下を進んで行く。
残ったコナンと愛梨はやれやれ、と思いながら、平次たちを振り返った。

和葉「そんなことより知らんはずないやろ。あない仲良さそうやったやん!」

平次「そ、それは……」

壁に追い詰められた平次はあごに手を当てて考えた。

平次「どっかで会ってたからやろなぁ」

和葉「ほら見てみぃ!やっぱり知ってんのや!」

平次「知らん言うてるやないか!だいたいあないキレイな人、一度見たら忘れられるわけないやろ」

平次の言葉に、和葉の片眉がピクリと上がった。

和葉「あないな……キレイな人……」

平次「まぁ、おまえは別の意味で忘れられへんけどな」

平次が少し頬を赤らめて言うと、

和葉「はぁ〜？」

バカにされたと勘違いした和葉は、ドン!!と勢いよく壁を叩いた。

和葉「それ、どういう意味なん？」

平次の身の危険を感じた愛梨は「ねぇねぇ」と二人の間に入った。

愛梨「平次兄ちゃん、本当にこの人知らないの？」

とスマホの検索結果画面を見せる。

平次「大岡……紅葉……？」

平次は検索バーに表示された名前を読み上げた。
検索バーの下には、先程会った美少女の画像や情報がずらりと列記されている。

平次「【2年連続皐月杯高校生チャンピオン(中学3年から特別枠で出場)、京都泉心高校の2年生、将来クイーンになることが確実視されている】……」

和葉「……大岡紅葉……」

平次「将来のクイーンか……」

和葉と平次は顔を見合わせた。





大阪府警・刑事部長室───。
応接セットに向かい合わせて座った刑事部部長・遠山銀司朗と本部長・服部平蔵は、大滝悟朗警部からメールをプリントアウトした紙を渡された。

遠山「これがその予告っちゅうわけか!?」

遠山がたずねると、テーブルの前に立った大滝は「はい」とうなずいた。

大滝「《日売テレビを爆破する!!》とだけ……」

シンプルな予告文の下には、二枚のかるた札の画像が印刷されていた。
それは同じ歌の読み札と取り札だった。

《奥山に 紅葉ふみ分け なく鹿の 聲きく時ぞ 秋は悲しき》

服部「このかるたの写真は何や？」

服部が画像を指差す。

大滝「メールに添付されていた写真です。何を意味してるのかはまだわかりません」

大滝の報告に、遠山がメールの紙から顔を上げた。

9話→←7話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す