47話 ページ47
紅葉「これ、ウチのお守りみたいなもんなんです。これなしで明日の試合どないしようと思ってたけど、これでなんとかなります」
嬉しそうに微笑む紅葉を見て、蘭も自然と笑みがこぼれる。
紅葉「そちらとしては、敵に塩を送るみたいな格好になってしまいましたやろか?」
蘭「いえ……」
蘭は首を横に振った。
紅葉「あの子、練習しすぎて指痛めんとええけどなぁ」
蘭「キレイなネイル……」
蘭はパスケースを持つ紅葉の爪を覗き込んだ。
ラインストーンをちりばめた付け爪がキレイにつけられている。
紅葉「ああ、このネイルは指先を守るためのモンです。かるたは指先が命やから、練習以外のときはいつも付けてます」
蘭「そうだったんですね」
上体を起こした蘭は「あ、あと……」とためらいがちに切り出した。
蘭「連絡先を知りたくて、パスケースの中見ちゃって……それで、写真に……」
紅葉「ああ、もしかしてこの写真のことですか?」
紅葉はパスケースから写真を取り出して見せた。
幼い頃の紅葉が男の子と指切りをしている写真。
蘭「ここに写ってるのって……」
紅葉「平次君です」
蘭「やっぱり……」
紅葉「これは子供のころに出たかるた大会で、平次君に負けてしもたときの写真ですけど、平次君は、負けて泣いてたウチに言うたんです。『泣くなや。今度会うたら、嫁にとったるさかい。待っとれや!』って……」
衝撃の事実を聞いた蘭は「ええ〜っ!!」と思わず大声を上げた。
(ほんとにプロポーズだったの〜〜!)
紅葉「せやから、平次君はウチの未来の旦那さんです」
蘭「で、でも、子供の頃の約束だから……」
紅葉「子供も大人もあらへん!」
紅葉がピシャリと言った。
紅葉「男が一度口にしたことは、そう簡単に曲げたらあきまへん。まぁ、それは女も変わりませんけど。ちゃいますか?」
蘭「え……」
(一度口にしたこと……)
そう言われた蘭の頭に浮かんだのは、イギリスのビッグベンの前で言われたAの言葉だった。
ー余計な感情が入りまくって、たとえ私や新一がホームズでも解くのは無理だと思うよ!大切な
あのとき。
Aは蘭の腕をつかみ、まっすぐ見つめて確かに言ったのだ。
『大切な
蘭「で、ですよね!!」
蘭は拳を握り、紅葉の言葉に思いっきり同意した。
すると、紅葉は写真を見ながら、歌を詠み出した。
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マロン - 立て続けのコメント失礼します!から紅の恋歌のあとは紅の修学旅行書いて欲しいんですけどいいですか?二回目ですけど応援してます!頑張ってください!! (2019年9月21日 20時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - マロンさん» ありがとうございます!(泣) (2019年9月8日 2時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 夜にすみませんいつも楽しんで読ませてもらってます!瞳の中の暗殺者の「大切だからだよ!」ってセリフのところ、夢主ちゃん(愛梨ちゃん)かっこよすぎじゃん、えマジでかっけーってなって家族に変な目で見られましたρ(тωт`) イジイジこれからも応援してます! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 夢小説なので。ここでは夢主ちゃんが主人公なので新一くんの言葉をとるときはあります (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 新一くんは夢主ちゃんと付き合っているんですよ。蘭は新一より夢主の方が好きという設定です。一応設定に書いてありますけど (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2018年9月2日 17時