【名探偵コナン】 双子は美少女で名探偵と怪盗!? から紅の恋歌

46話 ページ46

平次「もしも、名頃が自分の仕業やとアピールするためにかるた札を使ってるんやとしたら、中途半端に2枚だけ残すようなことはせえへんやろ？」

阿知波「まさか……大岡君の他にも……」

平次「問題は残る二枚の該当するターゲットや。早よ特定せな、名頃の犯行を防ぐんは難しいやろな……」

と考え込む平次に、阿知波は「さすがや」と平次とコナンと愛梨を見た。

阿知波「君達なら、警察より早く名頃を止めることができそうや」

愛梨は「うん」とうなずいた。

愛梨「でもそのためには、もっと情報が必要なの。───ねぇ、5年前、名頃さんとの間で何があったの？」

阿知波「そ、それは……」

阿知波が迷っていると、平次がズイッと詰め寄った。

平次「何かあったんやろ？何もなかったとは言わせへんで」

阿知波「……せやな……」

阿知波は観念したように息をついた。

阿知波「さっきは言えへんかったが、君達なら大丈夫やろ。この後、ホテルの私の部屋に来てくれ。あの日、何があったのか詳しく話そうやないか」

心を固めた阿知波は、コナンと愛梨と平次をまっすぐ見つめていった。





大阪観光を終えてタクシーに乗った蘭は、ホテルに戻る前に紅葉がいる病院に寄った。

蘭「じゃあみんな、ちょっと待っててね。これ、紅葉さんに届けてくるから」

助手席に座った蘭がパスケースを出して後部座席を振り返ると、

歩美「はぁ〜い」
光彦「待ってまーす!」
元太「オー!」

たくさんのお土産を抱えた子供たちは元気に返事をした。

蘭「すみません、運転手さん。ここで待っててください」

蘭は運転手に声をかけてタクシーから降りると、ロビーに向かった。





紅葉がロビーのソファに腰掛けてスマホを見ていると、電話をしていた伊織が戻ってきた。

伊織「お嬢様。警察から連絡がありまして、自宅の警備を強化したいとのことです」

紅葉「ええ。構へんよ」

すると、伊織の背後から蘭が近づいてきた。

蘭「すみません。紅葉さんですよね？先ほど連絡した毛利です」

紅葉「ああ……あなたでしたか」

紅葉はパスケースを拾って連絡してくれたのが和葉と一緒にいた蘭だとわかり、ニコリと微笑んだ。

紅葉「わざわざ届けに来てくださって、ホンマありがとうございます」

立ち上がって丁寧にお辞儀をする紅葉に、蘭は「いえ、そんな」と手を振った。

蘭「これ、紅葉さんのですよね」

紅葉「ああ、おおきに!」

パスケースを受け取った紅葉は、大事そうに両手で握り締めた。

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