23話 ページ23
その後、バッグから取り出したパスケースを見ながら歩いていた紅葉は、廊下の角から出てきた小五郎とぶつかりそうになった。
紅葉「きゃっ!」
小五郎「おっと!」
小五郎がすばやく飛びのいてよける。
小五郎「どうもすんません」
紅葉「いえ、こちらこそ」
去っていく紅葉の後ろ姿を小五郎が見ていると、蘭が走り寄ってきた。
蘭「お父さん、鍵見付かった?」
小五郎「いや、それがな。いろいろ捜したんだが見付かんねーんだよ」
蘭「ええ〜っ!」
小五郎「こりゃあ合い鍵作るしかねぇな〜」
待合椅子に座っていたコナンと愛梨は苦笑いした。
レンタカーの鍵を二人が小五郎のポケットからこっそり持ち出してしまったのだ。
(ん?)
愛梨は廊下の角に何かが落ちているのに気づいた。
小五郎の脇を走り抜けて手を伸ばすと───それはパスケースだった。
蘭「どうしたの?愛梨ちゃん」
愛梨「これ、さっきのお姉さんが落としたみたいだよ」
蘭「え?ちょっと見せて」
愛梨は蘭にパスケースを手渡した。
蘭「ホントだ。紅葉さんのだ」
パスケースに入った交通系ICカードには『オオオカ モミジ』と印字されていた。
蘭「お父さん、ちょっとこれ届けて来るね」
小五郎「ん?おい、知り合いか?」
蘭がロビーに走っていき、二人も後を追った。
蘭が紅葉のパスケースを持ってロビーを捜していると、
コナン「蘭姉ちゃん!いたよ、あっち!」
愛梨と追いかけてきたコナンが正面玄関のロータリーを指差した。
ロータリーに停まったロールスロイスに、紅葉が乗り込もうとしている。
蘭「ちょっと待って!」
蘭は慌ててロビーを飛び出した。
蘭「紅葉さーん、待ってぇー!!」
発進した車に手を振りながら追いかけたが、車はそのまま行ってしまった。
蘭「あ〜あ、行っちゃった……。どうしよう、これ……」
愛梨「名前や学校はわかってるけど、連絡先は中を見た方が早いんじゃない?」
愛梨に言われた蘭は「……そうだね」とパスケースを見た。
コナン「蘭姉ちゃん、ボクたちにも見せて」
蘭「う、うん」
蘭はかがんでパスケースを開いた。
蘭「えーと、これは写真か……」
パスケースには写真が入っていた。
右手の甲に傷がある男が写っている。
(誰だ、この人……)
蘭「あ、もう一枚ある」
写真を取り出した蘭は「え!?」と目を丸くした。
二人も写真を見て「ゲッ!?」と驚く。
それは、幼い男女が指切りをしている写真だった。
女の子は頬を赤らめ嬉しそうに微笑んでいる。
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マロン - 立て続けのコメント失礼します!から紅の恋歌のあとは紅の修学旅行書いて欲しいんですけどいいですか?二回目ですけど応援してます!頑張ってください!! (2019年9月21日 20時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - マロンさん» ありがとうございます!(泣) (2019年9月8日 2時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 夜にすみませんいつも楽しんで読ませてもらってます!瞳の中の暗殺者の「大切だからだよ!」ってセリフのところ、夢主ちゃん(愛梨ちゃん)かっこよすぎじゃん、えマジでかっけーってなって家族に変な目で見られましたρ(тωт`) イジイジこれからも応援してます! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 夢小説なので。ここでは夢主ちゃんが主人公なので新一くんの言葉をとるときはあります (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 新一くんは夢主ちゃんと付き合っているんですよ。蘭は新一より夢主の方が好きという設定です。一応設定に書いてありますけど (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2018年9月2日 17時