3話 ページ3
『皐月会 ーかるたの世界ー』
スタジオでは番組タイトルが書かれた看板の下に和風なセットが組まれていて、スタッフは収録の準備に忙しく動き回っていた。
スタジオの隅に置かれた打ち合わせ用のテーブルには、未来子、和葉、平次が並んで座っていた。
その向かいでは、小五郎が資料をそっちのけでスポーツ新聞を読んでいる。
小五郎「オイッ!小僧!愛梨!」
小五郎は隣に座ったコナンと愛梨をジロリと見た。
小五郎「お前らも控え室で待ってろって言っただろ!」
コナン「でも蘭姉ちゃんに収録の様子を見ていてほしいって言われたから」
小五郎「ったく〜……」
小五郎が再びスポーツ新聞に目を向けると、
「はい、どいてーー!!」
セットの方から叫び声が聞こえてきた。
「道を空けてくださーい!かるた通りまーす!!」
叫ぶ警備員の後ろを、ガラスケースが載った台をスタッフが押していく。
そのガラスケースには古そうなかるた札が入っていて、未来子が「うわぁ〜」と立ち上がった。
未来子「皐月会のかるたやぁ〜!」
和葉「何や、えらい仰々しいなぁ、あのかるた」
未来子「何言うてんの、和葉!」
未来子は眉をひそめた。
未来子「皐月会が開催する、全国大会の決勝戦で使われる伝統のかるたやないの!」
和葉「ああ〜……」
気の抜けた返しに、未来子はガクッと肩を落とした。
愛梨とコナンも思わず苦笑いする。
和葉「あの札で試合するんが、未来子の夢やったっけ？」
未来子「アタシだけやない。皐月会20年の歴史で、あの札に憧れんかったモンはおらんよ!」
厳しい顔で言い放った未来子は、一転して頬を赤く染め、うっとりとした表情でかるたを見つめた。
未来子「あ〜一度でええから、決勝戦であの伝説のかるたに触れてみたいなぁ……」
両手を胸の前で重ねる未来子に、愛梨は「ねぇねぇ」と声をかけた。
愛梨「何であの札は決勝戦でしか使われないの？」
未来子「激しい試合を何度もしてきたから、痛みがひどいんや」
未来子は椅子に座って愛梨と向き合った。
未来子「そやから決勝で使うとき以外はああやってケースに入れて、普段は美術館に展示されてるんやで」
平次「にしても、あの警備は大げさすぎるんとちゃうか？」
警備員のもとでスタッフ三人がかりでかるたを扱うのを見て、平次が言った。
すると、未来子は「そんなことない」と首を横に振った。
未来子「去年の皐月杯の後で、かるたの紛失騒ぎがあってな」
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マロン - 立て続けのコメント失礼します！から紅の恋歌のあとは紅の修学旅行書いて欲しいんですけどいいですか？二回目ですけど応援してます！頑張ってください！！ (2019年9月21日 20時) (
レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - マロンさん» ありがとうございます！(泣) (2019年9月8日 2時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 夜にすみませんいつも楽しんで読ませてもらってます！瞳の中の暗殺者の「大切だからだよ！」ってセリフのところ、夢主ちゃん(愛梨ちゃん)かっこよすぎじゃん、えマジでかっけーってなって家族に変な目で見られましたρ(тωт`) ｲｼﾞｲｼﾞこれからも応援してます！ (2019年9月7日 21時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 夢小説なので。ここでは夢主ちゃんが主人公なので新一くんの言葉をとるときはあります (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 新一くんは夢主ちゃんと付き合っているんですよ。蘭は新一より夢主の方が好きという設定です。一応設定に書いてありますけど (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年9月2日 17時
