検索窓
今日:10 hit、昨日:46 hit、合計:85,087 hit

2話 ページ2

平次が顔の前に手を出して軽く謝ると、そばにいたスタッフが「すみません」と声をかけた。

「リハの最中なので、少し静かにしてもらえます?」

和葉,平次「あ、はい……」

和葉たちは肩をすくめ、前を向き直した。

〈龍田の川の 錦なりけり〜〜〜〉

百人一首読み上げ機が着物の少女が取ったかるたの下の句を読唱すると、一秒空けて、次の札の上の句を読んだ。

〈きみがため お───〉

着物の少女が動いた。
未来子も反応するが、対戦相手の方が数段早かった。
バシッ、と手を叩きつける音が響き、未来子の陣地に置かれた取り札が宙を舞う。

小五郎「うっひょー!かっけーなー!!」

興奮する小五郎の後ろで、平次は「おい、工藤、A」とコナンと愛梨の耳元で話しかけた。

平次「このオッサン、対談のために大阪に来たこと忘れてるんとちゃうか?」

コナン「まぁ勘弁してやれよ……大阪見物したいってせがむ子供たちを、用事で来られない博士の代わりに連れてきたんだから」

平次「そーゆうたら、あの金持ちの姉ちゃんはどないしたんや?」

愛梨「ああ……園子なら風邪でぶっ倒れてるよ」

本当なら鈴木園子も一緒に来るはずだったのだが、前日に風邪を引いて寝込んでしまったのだ。
今頃、ベッドの中でくやしがっているはずだろう。
間近で見る競技かるたの迫力に驚いていた蘭は、隣の和葉に話しかけた。

蘭「でも知らなかったよ、和葉ちゃんがかるた部だったなんて」

和葉「合気道と兼任やねん!かるた部は新入部員が少のうて潰れそうやから、名前だけでも貸してて。たまーに未来子の練習に付き合うために復活する、ゾンビ部員みたいなモンやけどな……」

蘭「ゾンビ部員っておかしい〜」

二人が顔を見合わせて笑っていると、着物の少女がフン、と笑った。

「にぎやかで楽しそうやなぁ……まるでカフェにいるみたいやわ」

と、二人をチラリと見る。

蘭,和葉「す、すみません……」

蘭と和葉は慌てて頭を下げた。





その頃。
局内のサーバールームでは、ずらりと並んだ機械の間を黒い人物が横切った。
チェックしている職員たちに気付かれないように移動し、持っていた黒いバッグを床に下ろす。
ファスナーを開いた中には、時限爆弾が入っていた。
ボタンを押すと液晶画面が点灯して、《STANDBY》の文字が流れる。
黒い人物は液晶画面を見ながら、ニヤリと不気味な笑みを浮かべた。

3話→←1話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
155人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

マロン - 立て続けのコメント失礼します!から紅の恋歌のあとは紅の修学旅行書いて欲しいんですけどいいですか?二回目ですけど応援してます!頑張ってください!! (2019年9月21日 20時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - マロンさん» ありがとうございます!(泣) (2019年9月8日 2時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 夜にすみませんいつも楽しんで読ませてもらってます!瞳の中の暗殺者の「大切だからだよ!」ってセリフのところ、夢主ちゃん(愛梨ちゃん)かっこよすぎじゃん、えマジでかっけーってなって家族に変な目で見られましたρ(тωт`) イジイジこれからも応援してます! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 夢小説なので。ここでは夢主ちゃんが主人公なので新一くんの言葉をとるときはあります (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 新一くんは夢主ちゃんと付き合っているんですよ。蘭は新一より夢主の方が好きという設定です。一応設定に書いてありますけど (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さきっち | 作成日時:2018年9月2日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。