15話 ページ15
愛梨「きゃっ!!」
そのとき、脇から鉄骨が倒れてきて、コナンは愛梨を抱えてとっさに避けた。
八方に噴いた黒煙と火の粉に巻き込まれた二人は、激しく咳き込んで膝をついた。
(やべー、ちょっと呼吸をしただけで肺が焼けちまいそうだ……早く何とかしねぇと)
隣で苦しそうに咳き込む愛梨を見て、立ち上がろうとしたが、苦しくて、力が入らない───。
膝をついたコナンの体が、スケボーの上にゆっくりと倒れていった。
愛梨「新一!」
朦朧とする意識の中で、自分を呼ぶ愛梨の顔が浮かんだ。
必死に自分の名前を呼んで、泣きそうに顔を歪ませている───。
(A……!!)
ハッと目を開いたコナンは、うぐぐ……と力を振り絞って体を起こした。
愛梨「新一……!」
コナン「あきらめて……たまるかよ……!」
起き上がったコナンを見て、愛梨は力が抜けたように倒れ込んだ。
充満する火の粉と煙のせいで息をするのもつらいのに必死に歯を食い縛っている愛梨をコナンは抱き起こす。
コナン「大丈夫か、A!?」
愛梨「あ、はは……意識は保つよ……」
コナン「無理すんなよ」
苦しそうに顔を歪ませる愛梨を抱きしめながら、メガネのつるのボタンを押して右レンズの望遠機能を起動させると、周囲を見回した。
(まだあるはずだ。スケボーを加速させるための足場が、どこかに……)
煙と炎に包まれた屋上はどこも床が崩れ落ち、むき出しになった鉄骨はどれもあらぬ方向に曲がって積み重なっていた。
ガレキと鉄骨だらけの屋上に、スケボーを加速させる足場なんてどこにも見当たらない。
けれど、あきらめずに望遠レンズをズームアップさせて注意深く見回すと、
コナン「!!」
積み重なっている鉄骨の向こうに、巨大なパラボラアンテナが見えた。
コナン「あれか!」
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マロン - 立て続けのコメント失礼します!から紅の恋歌のあとは紅の修学旅行書いて欲しいんですけどいいですか?二回目ですけど応援してます!頑張ってください!! (2019年9月21日 20時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - マロンさん» ありがとうございます!(泣) (2019年9月8日 2時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 夜にすみませんいつも楽しんで読ませてもらってます!瞳の中の暗殺者の「大切だからだよ!」ってセリフのところ、夢主ちゃん(愛梨ちゃん)かっこよすぎじゃん、えマジでかっけーってなって家族に変な目で見られましたρ(тωт`) イジイジこれからも応援してます! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 夢小説なので。ここでは夢主ちゃんが主人公なので新一くんの言葉をとるときはあります (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 新一くんは夢主ちゃんと付き合っているんですよ。蘭は新一より夢主の方が好きという設定です。一応設定に書いてありますけど (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2018年9月2日 17時