14話 ページ14
するとサスペンダーがシュルシュルと伸びて、平次と和葉が一気に下りていく。
和葉「きゃあーー!!」
下を見た和葉は叫びながら帽子を押さえた。
サスペンダーが伸びて順調に下りていく中、平次は屋上を見上げた。
すると、屋上の端でサスペンダーのボタンを押し続けている愛梨とコナンの背後で、爆煙が上がった。
平次「A!!工藤!!」
煙が押し寄せてきて、二人はサスペンダーを持ちながらクッ……と目をつぶった。
すると、背後でメキメキメキ……と不気味な音がした。
振り返ると───煙の中でガレキに押された二本の鉄骨が大きく立ち上がっていた。
交差するようにそびえ立った鉄骨が、二人を目がけて倒れてくる───!
コナン,愛梨「!!」
二人は咄嗟にそばに置いていたスケボーにしがみつき、ターボエンジンのスイッチを押した。
鋭いエンジン音を上げて、急発進する───。
建物の両側に停められたはしご車から懸命の放水作業が続けられていたが、建物のそばには近づけないため屋上の両端にしか水が届かず、炎は屋上を焼き尽くすように広がる一方だった。
屋上のあちこちで爆発が起こり、倒れた鉄骨が何本も端からはみ出して、落ちそうになっている。
スケボーに飛び乗って鉄骨の下敷きになるのを免れた愛梨とコナンは、ガレキが積もった床に座り込んでいた。
コナン「くっそぉ……唯一下りられる場所だったのに……!」
愛梨「ケホッ……」
煙に咳き込む愛梨を抱きしめながら、コナンは平次たちが下りていった方を振り返った。
倒れた鉄骨が積み重なって縁が崩れ落ち、下りるどころか近づくことすらできなくなってしまった。
(考えろ!まだどこかに脱出ルートがあるはず……)
コナンが考えを巡らせていたとき、噴き上がる黒煙の間に、上空を飛ぶヘリコプターが見えた。
救助ヘリだ───!
やった、と喜んだコナンだったが、すぐに思い直した。
この炎と煙では、着地どころか近づくことすらできない───。
(待てよ)
コナンは、テレビ局の隣に川が流れていることを思い出した。
(あそこまで飛べれば……)
コナン「A、立てるか?」
愛梨「うん……何するの?」
コナンから離れて立ち上がった愛梨は、スケボーとサスペンダーを持って立ち上がるコナンを不思議そうに見た。
何となくコナンの考えていることが解った愛梨は、ガレキが散乱して積もっている床を見る。
愛梨「無理だよ、新一。スケボーで加速するための足場がここにはもう……」
コナン「A!」
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マロン - 立て続けのコメント失礼します!から紅の恋歌のあとは紅の修学旅行書いて欲しいんですけどいいですか?二回目ですけど応援してます!頑張ってください!! (2019年9月21日 20時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - マロンさん» ありがとうございます!(泣) (2019年9月8日 2時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 夜にすみませんいつも楽しんで読ませてもらってます!瞳の中の暗殺者の「大切だからだよ!」ってセリフのところ、夢主ちゃん(愛梨ちゃん)かっこよすぎじゃん、えマジでかっけーってなって家族に変な目で見られましたρ(тωт`) イジイジこれからも応援してます! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 夢小説なので。ここでは夢主ちゃんが主人公なので新一くんの言葉をとるときはあります (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 新一くんは夢主ちゃんと付き合っているんですよ。蘭は新一より夢主の方が好きという設定です。一応設定に書いてありますけど (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2018年9月2日 17時