32話 ページ32
警視庁の正面玄関前にある広場は、ビルから出て来た大勢の警察官や職員たちでごった返していた。
スマホを片手に走ってきた風見は、人の流れに逆らうように進んだ。
風見「探査機から切り離されたカプセルは隕石のように落下するだけ!つまり大気圏突入前のわずかな時間しか軌道のコントロールができません!!」
コード不一致のため、探査機のメモリー情報を書き換えられない───NAZUからの報告を風見から電話で知らされた安室は、車と並走して走るコナンと愛梨に伝えた。
コナン「つまり、そのコードを犯人が変えたってこと!?」
安室「ああ。NAZUに不正アクセスして探査機の軌道を変えたときに!」
愛梨「変更したコードを聞き出さないと!」
安室「そのために『協力者』になってほしい」
安室は左手でハンドルを握ったまま、右手でジャケットのポケットを探り、つぶれた盗聴発信機を見せた。
安室「こんなスゴイ物を開発する博士に」
コナン「何をするの!?」
コナンがたずねると、安室は意味深にニヤリと微笑んだ。
安室「死んだ人間をよみがえらせるのさ!」
コナンと愛梨と安室は警視庁の近くまで来ていた。
路肩のあちこちに停まっている大型人員輸送車には続々と人が乗り込み、その周りには何台もの車が乗り捨てられている。
コナンはスケボーをスライドさせて止まると、ある建物に向かって愛梨と共に走り出した。
安室も車を停めて走り出す。
建物からはスーツ姿の人々が溢れ出てきて、三人は人並みに逆らうようにロビーへ入った。
スマホを切った安室が前を走る二人に告げる。
安室「NAZUはコードを送り続けているが、やはり探査機にアクセスできないようだ!」
(早くコードを聞き出さねーと……!!)
三人は走りながらすれ違う人々を確認した。
すると、押し寄せる人並の中に見覚えのある人物がいた。
誰もが一目散に出入り口へ走る中、一人だけスマホを見ながら歩いている───。
コナンと愛梨は立ち止まった。
その人物とすれ違う瞬間───腕を伸ばして、スーツの袖をつかむ。
持っていたスマホがカシャーンと音を立てて床に落ちた。
安室は落ちたスマホを拾うと、その画面をコナンたちに向けた。
真っ黒な画面に数字とアルファベットが羅列し、その中央には大きく『ERROR』の文字がある。
愛梨「それは、NAZUの地上局で見られるデータだよね。テロの犯人さん」
「!?」
スマホの持ち主───日下部は驚いて袖をつかむコナンと愛梨を見下ろした。
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レモン - 14話の風見さんのセリフ、2291だったと思います…。 (2020年2月16日 11時) (レス) id: 2c1ae78a3f (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - セレーナさん» 教えてくださりありがとうございます! (2018年9月12日 17時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ - 18話のじぇけッとはジャケットだと思うわ (2018年9月12日 16時) (レス) id: d7a9e3a4b0 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜の夜に咲き誇る華(プロフ) - ページ44の台詞間違えてます、公園じゃなくて公安ですよ (2018年8月29日 20時) (レス) id: 25ecde7308 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - セレーナさん» 本当ですね。ありがとうございます! (2018年8月23日 4時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2018年6月22日 22時