第4話 ページ6
Aが矢を射る姿を見ていたヨナは興奮気味に声を上げた。
「わあ、姉様すごい!」
「さすがですね」
カナも笑みを溢しながらそう言うと、ヨナが再度弓を引き絞っているAの横顔を見て拳をぎゅっと握り締めた。
「私も姉様と弓やる!」
「なっ、なんだと」
ヨナの突然の発言に驚きを見せるイル。
「ダメだダメだ。武器など持たせられるか。本当はあの3人とカナにだって、持たせたくないくらいなのに」
「じゃあ父上やってよ」
「怪我しちゃうじゃないか」
「まーっ、臆病!」
「ヨナ」
イルとヨナのやりとりにカナが苦笑していると、スウォンがヨナを呼んだ。
声の方に視線を向けると馬に乗ったスウォンがニコリと笑みを浮かべながらヨナを見ていた。
「いらっしゃい。馬に乗せてあげます」
「スウォン!」
「大丈夫です。馬に乗るだけですから」
ヨナはスウォンの後ろにハクと一緒にいたAに視線を向けた。
その視線を受けたAがニコリと笑みを浮かべて、
『おいで、ヨナ』
と言うのでヨナは嬉しそうに笑みを浮かべながら3人の元へ駆け出した。
ヨナが向かってくるのを見たAはカナに自分の馬を休めるようにと伝えて、ハクと共にスウォンとヨナの元まで向かう。
「高いっ怖い…っ」
スウォンとハクとAに手助けをしてもらいながら馬に乗ろうとしているヨナは震える声を上げた。
「落ちついて。私とハクとAで支えてますから」
「でも〜〜〜」
「姫様の重みで間もなくハクは絶命〜〜」
「張り倒すわよ!!」
まぁまぁ、とヨナを宥めたAはスウォンに手を差し伸べる事を言って、下からヨナを見上げた。
『大丈夫大丈夫。馬、好きでしょう?』
「…好きよ」
―――大好き―――
Aを見ながらそう言ったヨナの手をスウォンはグイッと引っ張り上げると優しく馬の上に乗せた。
それを見届けたAが少し後ろに下がるとスウォンはゆっくりと馬を歩かせる。
その様子をAが笑ってみていると、
「姫様」
後ろからハクの声が聞こえてグイッと上に引っ張られた。
驚いてAが振り返ると、すぐ近くにハクの顔があって顔を真っ赤にするとプイッと顔を逸らす。
『急に引っ張り上げないでよ、ハク』
「いや、羨ましそうに見てたんで、つい」
『何がつい、よ…』
頬を膨らませて振り返ると、ハクは顔を赤くして顔を逸らした。
それに首を傾げていると、少し遠くから聞こえたヨナの声に2人して固まった。
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ムーミン一家 - 暁のヨナ、私も最近ファンになりました!面白いですよね〜ちなみに私はジェハ押しです。これからも頑張って下さい! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 8c840e0186 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年7月7日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - 待ってました!更新これからも頑張ってください♪ (2018年7月6日 18時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2018年7月6日 17時