第33話 ページ35
「ジジイ」
「…これは火の部族の警告じゃ」
「警告？」
ムンドクの言葉にカナが顔を顰めて訊き返すと、ムンドクは目を伏せながら口を開いた。
「ヤツらはスウォン様を王に即位させたがっている」
その言葉に、Aとヨナは目を見開いて固まった。
ドクンと大きく心臓が脈打つ。
「火の部族が……!?」
「火の部族は前々からスウォン様と癒着していたようじゃな。ワシがスウォン様を王に承認せんから圧力をかけてきたんじゃろう」
ハクとカナは口を引き締めると無言で地面を見つめた。
Aの心臓がドクン、ドクンと大きく脈打つ。
頭を過るのは、
ーーー《私は、この高華の王となる》ーーー
冷たい瞳のスウォン。
―――あの人が…父上を殺したスウォンが、この国の王になる…!?―――
ドクンと脈打つ心臓。
それを押さえるようにAは自分の体を抱きしめた。
「姉様…」
ヨナが心配そうにAを見つめるが、Aには大丈夫、と笑顔でヨナに返せる気はない。
「姫様」
そんなAの意識を戻したのはムンドクの声だった。
はっとしたAはムンドクを見上げる。
「大丈夫じゃ、承認はせん。スウォン様を王に認めてしまったら、ハクとカナに国王殺害の疑いがある事も認めてしまう事になる」
『ハクとカナが国王殺害……!?』
「……だろうな。俺たちに罪を着せるのが一番てっとり早い」
「まあ、予想はしてたけど…」
仕方ないというふうにハクとカナが答えた。
「心配はいらん。火の部族とてこれ以上の無茶はせんじゃろう」
―――本当に、そうなんだろうか…？―――
Aの心の中に疑問が残された。
・
・
Aside
何も考えたくなかった。
でも生きてる限り、その存在を感じずにはいられない。
スウォン。
スウォンが即位する。
そして風以外の部族はそれを認めた…。
風の部族はどうなるの…？
「リサ!」
『え』
考え込んでいた私に突然上から声が聞こえて私は顔を上げた。
目の前にいたのはテヨン。
「どーした？お腹すいた？ご飯だぞ」
『でも、水が不足してるのに私にばかり』
「だいじょうぶ!リサを太らせてこいって、ハク兄ちゃんとカナ姉ちゃんとリナが」
ハク、カナひどい。
それに、ヨナまで…。
「それに!お客様にはたんまりおもてなしして銭もらうのが風の流儀ーーー…」
それはハクだけなんじゃないかな…。
すると、私の前でバターンとテヨンが倒れた。
『テヨン!?』
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ムーミン一家 - 暁のヨナ、私も最近ファンになりました！面白いですよね〜ちなみに私はジェハ押しです。これからも頑張って下さい！ (2018年7月21日 23時) (
レス) id: 8c840e0186 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年7月7日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - 待ってました！更新これからも頑張ってください♪ (2018年7月6日 18時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年7月6日 17時
