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第26話 ページ28

手当の様子をヨナと心配そうに見ていたAにハクは視線を向けた。


「大丈夫ですよ。毒蛇に咬まれた時の対処法くらい知ってます」

「あたしがやってるんだけど」


そう言ってジロリと睨みつけるカナを無視してハクは懐から取り出した物をAに差し出した。


「姫様のお探し物はこれか?」

「それは…」


ヨナが顔を顰めながら呟く。
差し出された簪に目を見開いたAは、震える手でそれをそっと受け取った。
じっと簪を見るAをヨナが心配そうに見つめる横でカナが布を巻きながら横目でAを見る。


「俺はスウォンを許さない」


Aはその言葉に顔を上げてハクを見つめた。


「だが、それ以上に俺はあんたに生きて欲しい」


―――あんたはこの山に入って初めて、自ら動いてそれを探しに行った。

何でもいい。

今は、あんたを繋ぎとめられるのなら

たとえそれが

未だに捨てきれない物でも―――
















朝を迎えると目を覚ましたAはカナとヨナが眠っているのを横目に見て、そっとハクに近づくとカナによって布が巻かれている足に手を伸ばした。


「平気ですよ」


突然聞こえてきた声にビクッと体を震わせる。
目を覚ましたハクは寄りかかりながらAを見ていた。


「蛇に咬まれたくらいでどーにかなるハク将軍じゃありません」


そう言ったハクにカナは片目を開けて2人の様子を見ると傍で寝ているヨナを起こして立ち上がった。


「さて、起きたらすぐ行きますか」


そう言ったカナと立ち上がるハクにヨナは声をかける。


「あ…あのハク、カナ」

「「はい?」」

「どうして…山を行くの…?どこかの里に下りて食べ物とか薬を…」


そう言ったヨナにハクとカナは大刀と槍を持ちながら答えた。


「人里は危険ですよ。たとえ村人があたし達の顔を知らなくても城の兵はどこにいるとも知れない」

「スウォンが人相書きなんぞ出してるかもしれませんしね」

『じゃあ…今どこへ向かってるの…?』

「おそらく、今、俺らにとって唯一頼れる場所…。

風の部族、風牙の都。






俺の故郷です」

第27話 「風の部族」→←第25話



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ムーミン一家 - 暁のヨナ、私も最近ファンになりました!面白いですよね〜ちなみに私はジェハ押しです。これからも頑張って下さい! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 8c840e0186 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年7月7日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - 待ってました!更新これからも頑張ってください♪ (2018年7月6日 18時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2018年7月6日 17時

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