【名探偵コナン】双子は美少女で名探偵と怪盗!? 異次元の狙撃手 (ページ32)

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32話ページ32

「───!?」

いきなり出現した巨大なサッカーボールがスコープの視界をさえぎり、黒い影はクッ…と唇をかんだ。
一度スコープから目を離し、再び構えなおすと────スコープの視界に見覚えのある少年と少女の姿が映った。
少年と少女は車道と歩道の柵に飛び乗り、特急電車に向かって大きく手を振っている───。

コナン「オ～イッ!こっちだ!」
愛梨「マーフィーさーん!!」

コナンと愛梨はLEDランプを光らせた探偵バッジを右手に持ち、鉄橋を渡る特急電車に向かって大きく振った。

(頼む!異変に気付いてくれ……!!)

コナン,愛梨「オ～イッ!こっちだ!オ～イッ!!」

すると突然、街灯にぶら下がったサッカーボールが大きな音を立てて破裂した。
犯人がライフルで何発も撃ったのだ。

(ヤベェ!マーフィーさんが狙われる……!!)

コナンと愛梨はなおも手を振り続けた。

コナン「オ～イッ!マーフィーさーん!オ～イッ!」

コナンの背中の真ん中にレーザーサイトの小さな点が浮かび上がった。
その赤い点は徐々にコナンの背中、首筋と上っていき、後頭部で止まる。

愛梨「!!」

愛梨はコナンの後頭部にレーザーサイトの小さな点があることに気づき、後ろの駒形橋の方を振り返った。

コナンの後頭部をスコープの十字線に合わせた黒い影はフッと微笑み、引き金を絞った。

愛梨「コナン!!」
世良「コナン君!危ない───!!」

銃口が火を噴いた瞬間───吾妻橋をバイクで一気に走ってきた世良と隣にいた愛梨がコナンに飛びついた。
振り向こうとしたコナンの左腕の近くを弾丸が通り越し、世良の鎖骨下と愛梨の右腕を貫く───。

コナン「愛梨……!世良……!」

車道を横切ったバイクは停車していた車に激突し大きく跳ね上がり、さらに後続の車にぶつかった。
道路に放り出されたバイクのエンジンから出火し、大爆発が起きる───。

車道に右腕を押さえながら倒れた愛梨の右腕の二の腕と仰向けに倒れた世良の左鎖骨の下当たりからドクドクと血があふれ出し、コナンは慌てて傷口を手で押さえた。

コナン「Aッ!世良ッ!しっかりしろA!!世良!!」

血の気が失せ、ぐったりと横たわる世良の背中と愛梨の右腕から血だまりがじわじわと広がり、傷口を押さえるコナンの手もみるみる血で染まっていく。

コナン「くそおぉぉぉぉ───!!」

悲痛な叫び声が黒煙と火の粉が舞い上がる吾妻橋にむなしく響き、やがて空へ消えていった───。