154色 ページ33
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額が、離れた。鼻が触れ合った。
目の中いっぱいに相澤先輩がいる。唇が熱い。
相澤先輩の柔軟剤の香りがする。
黒い蓬髪が頬に当たって擽ったい。
相澤先輩の、長い睫毛が揺れる。
熱を孕んだ黒い瞳が、超至近距離で俺を射抜いた。
「よく聞け、」
小さなリップ音を立てて唇が離れた。先輩の右手が俺の頬を包んで、親指が目尻をなぞる。
今まで見たこともない真剣な表情と、唇に残った熱に浮かされて、先輩から目が離せない。
さっきまで俺の唇に重なっていたソレが、目の前で動いた。
「学生の頃から、ずっと。お前を想っていた。
女子に囲まれる所を見ては無様に嫉妬し、
お前が笑いかけてくれれば心が和んだ。
お前の無茶に何度も肝を冷やし、
お前の無事を何度でも祈った。
俺が卒業して、関わりが無くなったあとも
お前を忘れたことなんか1度もねぇ。
生きていてくれと、幸せになってくれと願い、
その為なら身を引くことだって覚悟していた。」
相澤先輩がずっと俺を見つめている。低く、耳に心地いい声が胸にすっ、と入ってくる。
先輩がそう思っていたなんて、俺は全く知らなかった。
学生の頃からなんて、俺と一緒じゃん。知らねぇよ。
気付かねぇよ。言ってくれなきゃ分かんねぇよ。
どんどん目の前が潤んでくる。先輩の姿が霞んでいく。
本当に、すぐそこに先輩が居るはずなのにボヤけた視界じゃ見えなくて。
頬を包む先輩の右手に、左手を重ねて存在を確かめた。
温かくて骨張った、傷だらけの大きな手。
手の温かさからか、先輩の熱っぽい視線からか。
熱が移されたかのように、心がじわじわあったかくなるのを感じて、目を閉じた。
『言ってよ。もっと早く。』
俺も伝えなきゃならない。
下手くそだろうが、涙が出ようが、言葉でちゃんと伝えなきゃ。
だって言わなきゃ分からねぇ馬鹿野郎だもんね、俺たち。
瞳を、開けた。
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ラッキーカラー
あずきいろ
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琥珀 - ごめんなさい！Rの方が表示されないのですがボードなどにリンクを貼っていただくことは可能でしょうか？凄く気になって仕方ないのですが表示されなくて困っています…お願いします (2021年10月29日 5時) (
レス) id: 87cefe627d (このIDを非表示/違反報告)
ばななじゅーす(プロフ) - 最後の相澤先輩の「理性で ｰ 。」っていう言葉でやられまくりましたね、。追い打ちをかけるように色川くんの『大丈夫。ｰ 』っていう所で完全に色川くんに堕ちました（ も、ほんと好みの作品過ぎて終わってしまうのが、ね。（ 番外編待ってますね！！！ (2019年2月23日 22時) (レス) id: cd1bf2aaef (このIDを非表示/違反報告)
脊威(プロフ) - 完結おめでとうございます！ハラハラドキドキしながら最後までじっくり読ませて頂きました(* ´ ▽ ` *)お疲れ様でした！ (2019年2月23日 21時) (レス) id: f945d58f3d (このIDを非表示/違反報告)
ばななじゅーす(プロフ) - 初コメ失礼します！！！もぉ、やばいやばいやばいやばいいぃ（語彙力 めっっっっちゃキュンキュンっす、、！！！相澤先輩カッコよすぎる、、色川くんかわぃぃぃぃい（（語彙力 更新楽しみにまってます！！！ (2019年2月23日 10時) (レス) id: cd1bf2aaef (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - おおおおあああ！！！ついに.........ついにですね！！！ありがとうございます(？) (2019年2月21日 10時) (レス) id: 885c6ec8a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戴天の白 | 作成日時：2018年9月15日 19時
