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第九戦:少々特殊で多々不思議な少女・主人視点 大湊翼 ページ23

夕食休憩によって更に賑わいを増した大決闘祭。中々こういう大規模なイベントは、幻想郷では珍しかろう。実行委員のセラはどこか嬉しそうに放送をかけた。

『あーあー、こちらエインセル。放送席から午後七時をお知らせするよ。という訳で、夕食タイムはひとまず終了。第九戦はまもなく始まるから、楽しみにしていてくれたまえ!以上!』

マイクのスイッチを切ると、セラはふう、と息を吐いて、放送席を出て行く準備を始める。

「よし、じゃあ行ってこようかな。解説は頼んだよマイロード」
「ボクの意思は尊重されないのかよ。オマエがほとんど強制的にやらせたんじゃないか」
「まあまあ。こういうのも良いだろう?マイロードってばヒキニートみたいな生活しかしてないじゃないか。たまには活動的になるのも大事だよ」
「誰がヒキニートだ!ばか!」

流れるようにボクをおちょくり、くすくすと笑いながら舞台へと向かうセラ。いつもの事ながらボクはまともに反論もできない。……こいつ一回痛い目見た方がいいんじゃないか?本当に。
とは言え、エインセルが誰かに負けるビジョンが見えないのも事実だ。相手がミフェルティア・ラピスラズリであろうと、快勝してくれる事だろう。あいつはそういう奴なのだから。

『さて、第九戦はミフェルティア・ラピスラズリ対エインセルだ。という訳で、解説にはエインセルをよく知る大湊翼に来てもらっている。翼、お前はこの勝負をどう見る?』
『わかりきっている。セラが勝つだろうな』
『言い切ったな。理由は?』
『……試合が始まればわかる事だ』

ボクの発言で、会場が少しざわつく。先の異変でミフェルティアの実力に直に触れた人間が主なのだろう。確かにミフェルティアは強く、普通なら勝ち目なんてない。だが……。
舞台にはセラとミフェルティアが立った。試合開始はもうすぐだ。

『では始めるぞ!第九戦、ミフェルティア・ラピスラズリVSエインセル!スタートだッ!』

ミフェルティアが真っ先に能力を発動する。相手を強制的に敗北させるものだ。これによって一瞬でけりがつく……はずだった。

「私はこれで負ける……みんなそう思っただろう。エンターテイナーたるもの、言動に驚きがなければね」

『おお、エインセルは涼しい顔して立っているな』
『だから言ったんだ。セラに対して、強さや能力なんかは関係ない。相手の存在すらも。セラはただ―――』

ボクは至極つまらなさそうに言う。

『―――ただ、大衆を驚かせるだけなんだよ』

第九戦:引き立て役の最強女神 ミフェル→←オリジナルだけど感動する稀有なパターン 宏太



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さっき(プロフ) - 15巻作らせて頂きました! (2022年12月7日 14時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新しました!あとお話がいっぱいになったので、15巻作りますね! (2022年12月7日 14時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新します! (2022年12月7日 13時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (2022年12月7日 11時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します (2022年12月7日 11時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サナティ x他10人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2022年11月2日 16時

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