2話 ページ3
裕太と話した後、部屋に戻ってランニングウェアに着替えた私は人の少ない道を走っている
気分が上がる曲を聴きながら並木道をタッタッタと一定のリズムで走っていく
やっぱり私は夜のランニングよりも朝のランニングの方が爽やかで好きだ
朝練がない日も運動しないとやっぱり身体なまっちゃうしなあ・・・というより身体を動かしてないとやっぱり落ち着かないんだよね
ゆっくりと呼吸するのを意識しながら、走っていると前に見慣れたシルエット
栗色のふわふわの髪の毛に、真っ青な海のようなスポーツウェアを着た長身の後ろ姿
「もしかして・・・健永?」
幼馴染の一人、千賀健永
三人の中でも特に女子力が高い健永は美容のためにも毎日ランニングをしてるって前に言っていた気がする
そうだちょっと驚かせてやろう
少しスピードを上げて健永の少し後ろにつくと、いきなり肩をポンと叩く
千「うぁっ!?」
「ぶっ」
予想の5倍くらいおどろいた健永がいきなり止まり、思いっきり背中にぶつかってしまった
「いたたた・・・」
千「えっ、えっ・・・・景ねえ・・・・?」
「はは・・・おはよ健永」
ぶつけてしまった鼻をさすりながら笑顔でそういえば、健永が少しぎこちない笑顔で「おはよう」と返してくれた
裕太があんな感じだったから、おはようだけでも少し嬉しい
千「てかなにしてんの」
「ランニングだよ、見ればわかるでしょ」
千「まあ・・・部活の朝練は」
「今日はないの」
千「ふーん」
あまり興味もなさそうにウォークマンをいじりながら相槌を打ってくる健永に少しイラっとして顔を両手で挟み、私の方を向かせる
「健永!会話してる時は相手の顔見ろって昔から言ってるじゃん!感じ悪いよ」
そう少し怒りながらいえば、一瞬何をされているのかわからないという顔をした後ものすごい勢いで健永の顔が赤くなっていく
千「やめろよ!そういう風に子供扱いすんの!俺もう高2なんだけど」
「子供扱いとかじゃなくて、態度悪いから怒っただけだよ」
千「母さんみたいなこというなよ!む、ムカつくんだよ」
「えっ」
千「あ・・・・」
その言葉に驚いて固まると、健永が少しまずいという表情になる
「ごめん・・・」
千「・・・っ俺もう行くから」
「あ、健永!」
気まずそうな顔で走り去った健永の背中に呼びかけるも振り向かずにいってしまった
二人ともどうしちゃったんだろ・・・
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作者名:sayachiffon0919 | 作成日時:2017年1月6日 22時